二、孤児院訪問

 夕刻。ドルジたちはめいめいの楽器と、手土産などを携えて、下町の外れの場末にある「ニコライ養育園」へと向かった。

ドルジ「住所はここのはずじゃが……思っておったよりも小さいのう」

アイシャ「それに、失礼ではありますが、だいぶん寂れておられるようにも……」

 ドアベルを鳴らすと、「はーい!」という元気な声がして、少女ノエルが現れた。

ノエル「わっ、わっ、みんな来てくれたのね! パパー、みなさん来たよ~!」

 奥に向かって呼ぶと、クラウス氏も出迎えに来た。

クラウス「ようこそお越しくださいました。さぁ、上がってください」

ドルジ「かたじけなく……これはつまらんものじゃが、ルーシの国・キルスクのお土産じゃ」

クラウス「それはそれは、貴重なものを! 本当に恐縮です。ともあれ、入っておくつろぎください……といっても、こんな有様ですが……」

 頭をかきながら苦笑を浮かべるクラウス。

 孤児院は外観も内観も、お世辞にも綺麗とは云えない。むしろ、“みすぼらしい”と形容した方が適当だ。

 今にも朽ちて折れそうな手すりの階段やバルコニーを、子供たちはキャッキャと元気よく走り回っている。活気・和気だけは充分あるようだった。

 ノエルも、お行儀良く出迎えたのは束の間、他の子供たちとはしゃぎ回っている。

ノエル「カテナくん、クルトお姉ちゃんも、遊ぼ~よ~!」

 少女が吹き抜け中二階のバルコニーから身を乗り出して、カテナたちを誘う。

クルト「ん……わたしはそんな……」

 ちょっと人見知りで物静かなクルトは、ドルジの裾につかまってもじもじしている。

カテナ「がぅ! オイラたちもいく!」

 タタッと駆け始めるが、クルトが付いて来ないことに気付き、立ち止まって振り返る。

カテナ「クルトはいかないのかっ? たのしーとおもうぞ!」

 クルトの元に戻りながら聞き、

カテナ「オイラもいっしょだからさっ! いこっ!」

 聞いておきながら返答を待たず、クルトの手を摑んで走り出した。

クルト「え? あ、あぅっ……!」

 カテナに手を引っ張られて、クルトは目を丸くしてわたわたと走り出したが、

ノエル「あーん捕まっちゃった~! よーし、次はノエルがオニだぞ~! がお~!」

子供達「キャッキャッ!!」

 仲良く楽しそうにはしゃぎまわるノエルたちを見て、くすくすと笑い始め、

クルト「んと、逃げるよ! わたしはこっち!」

 明るい笑顔になって子供たちの輪に入り、今度は自分の足で駆けだした。


 二階では年少の子供たちがはしゃぎ回り、一階では年長の少女たちが楽しそうに炊事している。

ドルジ「和気藹々、良い孤児院じゃのう。クラウス園長先生のお人柄が為せる業じゃな」

クラウス「いえいえそんな、滅相もありません……しいて云うならば、三年前に他界した妻・ナタリーの作った風土、かもしれませんが」

 クラウスは恐縮そうに手を振って微笑んだのち、暖炉の上に飾ってある女性の写真を見て、少し遠い目をして言った。

クラウス「昔はそこそこ大きな孤児院だったのですがねぇ。今ではこの寂れようで、寮生も十五人ばかりに減ってしまいました。まぁ、少人数のお陰で、いじめなどもなく、和やかなコミュニティを保てているわけですから、一概に嘆くべきことでもありませんね」

パンドラ「子供たちの笑顔を見ればわかるよ。ニールセン夫妻の愛情をたっぷりと受けて育ってきたんだね」

 コーヒーカップをテーブルに置き、パンドラは立ち上がると、炊事をしている少女たちのほうを見る。

パンドラ「さーて! 私はあの子たちとご飯の支度をしようかしらね♪ 久しぶりに腕をふるって最高のご馳走を作るわよー!」

アイシャ「あっ、では私も手伝います」

クラウス「おや、すみませんねぇ……」

 パンドラと、それに続いて炊事の手伝いに立つアイシャを、恐縮そうに見送るクラウス。


 かくれんぼをしつつ、階下の会話に聞き耳を立てていたクルト。

クルト(そか、ノエルちゃんも、お母さんがいないんだ……)

 自分と同じだ――と、クルトはふと思い出した。クルトの母の場合、正確には、“時を止める魔法を自らにかけ、深い眠りに就いている”のだが。

 自分が郷里を旅立ち、冒険者になった理由、それは“母を救いたい”。その願いは、いつ叶うだろうか……。

ノエル「クールートーお姉ちゃんっ!」

クルト「ひゃ!?」

 考え事をしていたクルトは、ノエルの近付いてきた気配に気付かなかった。

ノエル「見ぃ~つけたっ♪」

クルト「えへ、見つかった……!」

 屈託のないノエルの笑顔を見て、クルトも自然に笑顔になる。

 すくっと立ち上がり、また元気に走り出す。

 宵は静かに更けてゆく。


クラウス「さぁみんな、今晩はプチパーティーだよ。遠慮なくお食べ!」

一同『いただきまーす!!』

 元々給食として用意していたのは、パンの他はジャガイモとベーコンのシチューのみ。それが、ドルジたちの手土産の食材やケーキが加わり、パンドラとアイシャの手によってひとひねりもふたひねりもアレンジされ、見違えるほどのごちそうに生まれ変わった。

ノエル「パンドラお姉さん、アイシャお姉さん、すごーい! 魔法使いみたいだね~! あっ、アイシャお姉さんはほんとの魔法使いさんだった!」

 久方ぶりの贅沢と賑わいに、ノエルも心底嬉しそうだ。

カテナ「んーっ! んまいっ! パンドラもアイシャも、りょーりじょーずだなッ! ずーっとそばにいて、りょーりつくってほしいぞ!」

 カテナも自分に配られた料理を美味しそうに頬張る。

 カテナやノエルに褒められて、髪をかきながら少し照れた表情を浮かべるパンドラ。

パンドラ「私も孤児院出身で、こうみえて家事全般はしていたからね。たくさん食べておくれよ♪」


 子供たちの笑顔を見ると、パンドラの脳裏に過去の記憶が蘇る。

少女「えーん、えーん、おかあさーん! おかあさーん!」

男児「泣くなフランシス! 今日からはボクたちが家族だ!」

パンドラ「ホークの言うとおりよ! フランシス、私たちと一緒に暮らすのよ。私があなたのお姉さんになるの!」

フランシス「おかあさーん! おかあさーん!」

 フランシスという少女が泣き疲れて眠るまで、パンドラはずっと抱きしめ続けていた。

 パンドラ六歳の頃の記憶。

 兄のように慕うホーク(後の旅芸人一座の団長)と、自分よりも幼いフランシス(後の旅芸人一座の歌姫)との、孤児院で過ごしていた頃の思い出。

 パンドラはそんな過去を思い出し、一瞬センチメンタルな気分になったが、目の前で食事を楽しみ会話を楽しむクルトや孤児院の子供たちの姿を見ると、自然に満面の笑みを浮かべた。


ドルジ「さてと、ではそろそろ始めるかの」

 食事がおおかた済むと、ドルジは席を立って、リュートを取り出した。

クルト「ん!」

 クルトも木製横笛フォークフルートを取り出した。

ドルジ「パンドラ殿も、準備は良いかね?」

パンドラ「いつでも準備はいいわよ」

 パンドラは剣を抜いて、ゆらゆらとそれを振るいながら天井に向けた。

 ドルジとクルトの軽快な演奏が始まった。曲目は、降誕祭キャロルメドレー。パンドラの舞、アイシャの歌が、それをさらに彩る。

ノエル「あっ、この曲知ってる~! わーい!」

クラウス「素晴らしい。季節を感じますね~」


 O Tannenbaum, o Tannenbaum, もみの木 もみの木

 Wie treu sind deine Blätter! 変わらぬその葉

 O Tannenbaum, o Tannenbaum, もみの木 もみの木

 Wie treu sind deine Blätter! 変わらぬその葉

 Du grünst nicht nur zur Sommerzeit, 夏にも冬にも

 Nein auch im Winter wenn es schneit. 必ず繁るよ

 O Tannenbaum, o Tannenbaum, もみの木 もみの木

 Wie treu sind deine Blätter! 変わらぬその葉


女児「すごーい! コンサートみたい!」

男児「かっくいー!」

 子供たちから拍手喝采が送られる。

 国籍、人種、言語、宗教、そして生まれ育った環境は違えど、音楽は平等に人の心に響く。

 目には見えない魂の旋律。無から有を生み出す芸術。

 生命活動に不可欠な営みでこそないが、少なくとも喜怒哀楽のうちに人生を過ごす人間にとっては、活き活きと今を生きる魂の糧となる。

 なんと美しきことか。

 ここにいる全ての人たちに歓喜が訪れる。

クラウス「いや~素晴らしい! ありがとうございます!」

 大きな拍手と喜びに満ちた歓声がパンドラたちを包んだ。

クラウス「この孤児院でこんな盛り上がりは、最初で最後かもしれません」

パンドラ「なに言ってんだい。またいつでも来るよ」

 励ますように言うパンドラに対して、クラウスは少し哀しそうな目をして言った。

クラウス「実は……この孤児院は、近々閉鎖してしまうかもしれないのです……」

 その瞬間、天井の電球の一つが、突然パリーンと音を立てて割れた。

クルト「!?」

 楽しそうな歓声は一瞬ざわめきに変わり、その後沈黙に変わった。

カテナ「がぅっ!? なっ、なんだぁ!? アイシャ、うたにまほーでもまぜてたのかっ!?」

 カテナはとっさに跳躍し、割れた電球の真下にいた『友達』をガラス破片から庇うようにして叫んだ。

クルト「気をつけて、念のため伏せて……!」

 警戒するカテナとパンドラたちだが、クラウスや寮生たちは、意外にも比較的落ち着いていた。

クラウス「あぁ、多分大丈夫ですよ。わりとよくあることなのです。廃園の話をするとしばしば……」

パンドラ「廃園って……経済的な理由かい?」

 怯える少女を抱き寄せながら、クラウスに訊ねるパンドラ。

クラウス「ええ、それが一番の理由です……市当局から予算を減らすと圧力があり……」

 そしてクラウスは溜め息をついて言った。

クラウス「それに、こういう怪奇現象が時々起きるのです。屋敷妖精――ブラウニー――が怒っているんじゃないか、という噂ですが……どうも最近頻度が上がりつつあるのが不安どころですね」

ノエル「屋敷妖精さん……もあるかもだけど、それだけじゃないよ! ノエル、夜中に動くお人形さん見たもん! 屋敷妖精さんはそんなことしないよ!」

 ノエルは少し戦々恐々としつつ言った。

 魔力感知センス・マジックの魔法を発動するアイシャ。しかし、

アイシャ「特段変わった魔法力は感知できないわね……」

クルト「精霊力の乱れも感じないよ……ほんとに屋敷妖精ブラウニーさんの仕業なら、気配は屋敷全体に漲ってるから、特定できないかも……」

 魔力も精霊力も、特段異変は感知できなかった。

 トーーン、トーーン

 パンドラは剣の鞘で二回地面を叩いた。

パンドラ「反響定位エコーロケーションで見ても特に異質な存在は感じられない……本当に妖精の仕業かねぇ」

 子供たちの立ち位置を把握して警戒をするパンドラ。

カテナ「ええっ……それってよくあることだからだいじょーぶ、ですむことなの……? なんかまるで、なにかがこのばしょをなくしたくないってつたえてるよーにもおもえたんだけど……」

クラウス「ええ、屋敷妖精が本当にいるとしたら、廃園に抵抗するのも無理からぬことでしょうが……亡き妻ナタリーは、そのあたりよく“見える”質だったのですが、私には分かりませんね……ともあれ、ランプを直しましょう」

 クラウスは脚立を持ってきて、爆発の時に出たすすと破片を払い清め、電球を交換した。

カテナ「がぅっ!? ノエルのおかーさん、しんじゃったってこと……?」

ノエル「うん、ノエルが六歳の時にね……」

 ノエルは少し哀しそうな顔をしたが、すぐに笑顔を見せて、手のひらを振りながら言った。

ノエル「でもね、ノエル寂しくないよ! パパがいるし、お友達のみんなもいるから!」

 そして、少し真面目そうな顔をして続けた。

ノエル「ここにいるお友達はみんな、パパもママもいないか、いても一緒に暮らすことができない子ばっかりだから……」

 最後に、またにこっと笑って言った。

ノエル「だからね、パパもお友達もみんないるノエルは、幸せなんだよっ!」

 カテナは母親を知らない。物心ついた頃には、既に父親と無人島暮らしだったからだ。

 ノエルは明るく振る舞っているが、母親が側にいない寂しさを心の奥底に押し込めているんじゃないか……と思った。

 自分と同じくらいに見えるノエルが、母親がいないところまで同じことを知り、カテナは親近感を覚えずにはいられなかった。

パンドラ「強い子ね」

 ノエルを優しい表情で見るパンドラ。

パンドラ「それにしても、屋敷妖精ねぇ。私には何も感じないけど、いるのならお目にかかりたいもんだよ」

カテナ「……?? ねぇ、クルト。やしきよーせーってなに?」

 トテトテとクルトに近づきながら声をかける。

クルト「屋敷妖精、精霊使いシャーマンの用語では“ブラウニー”。約五十年以上経った古い家に棲む精霊の一種で、使役すると、家主が寝てる間に、家の中の掃除や雑用をして、日常の状態に戻してくれる――っていうことができるの」

 うーん? とカテナは首を傾げた。

カテナ「ねぇ……その、クラウス。ここができたのって、いつぐらいなの? ここがなくなっちゃうってはなしになるまえは、あさおきたらいつのまにかいえのなかがそーじされてたりとかすることはなかった……?」

 まだクラウス(大人)に慣れてないカテナは、おずおずと聞いてみた。

クラウス「ええと、ここが建てられたのは、旧館が七十年くらい前、新館が五十年くらい前で……」

 クラウスはあごに手を当てて考えつつ答えた。

クラウス「“掃除されていたり”、ですか……普段はパートのおばさんや入寮生のみんながきちんと掃除してくれますからねぇ……」

カテナ「がぅー……。そーじはこどもたちがやってるのかぁ……。そーじするまえ、そーじするひつよーがないぐらいキレイだったりするのかなぁ……。あとでみんなにきーてみよーかな」

 と、クラウスは少し考えて、手のひらをぽんと打ち答えた。

クラウス「あぁ、そうだ。今は使われていない旧館は、年に一度くらいしか掃除していないのですが、いつも驚くほど埃も汚れも少なくて……これももしや屋敷妖精のお陰なのでしょうか……」

カテナ「がぅー……ちがうたてものかぁ……。おかしいことがおきるこっちのたてものにやしきよーせーがいるのかは、まだわかんないね。でも、そっちのつかってないたてものにはいそーだよね、やしきよーせい。そっちのたてものでも、たてものがこわされちゃうはなしすると、へんなことおきちゃうの?」

クラウス「旧館には、滅多に立ち入ることもありませんから、そこで廃園の話をする、といった経験もありませんねぇ……」

 クラウスは申し訳なさそうに答えた。

クルト「ううん、だいたいわかった……ありがとです、クラウスさん」

 クルトが珍しく一歩前に出て、率先して話し始めた。

クルト「この建物にも、旧館の方にも、屋敷妖精さんはたぶんいます。付喪神つくもがみみたいなもので、五十年くらいを経た建物には、誰が喚ぶわけでもなく棲むものなので……」

クラウス「そうですか、やはり……それで、やっぱり怒っているのでしょうか?」

 クラウスは恐る恐る訊ねた。

クルト「どっちかていうと、怯えてるんじゃないかな、と思います。でも、向こうからコンタクトを取ってくれない限り、精霊使いシャーマンでも精霊さんの気持ちはなかなか分からないです……」

 クルトも少し申し訳なさそうに答えた。

クルト「精霊魔法を使って、“今夜中に掃除して”とか、一時的に“使役”することはできます。けど、“金輪際鎮まれ”とかって“服従”させることはできない、です。自然現象の下位精霊さんなら、一柱を“コントロール・スピリット”することはできるけど、屋敷妖精さんは基本的に、人間に近い自我を持ってて、住んでる人以外にはまず心を開いてくれない、です。ごめんなさい……」

クラウス「そうですか……いえ、ありがとうございます。私が何とかしなくてはいけない問題なのですね」

 クラウスは少し残念そうに、しかし勇気を振り絞るように答えた。

パンドラ「しかし屋敷妖精がいようがいまいが、ここが廃園されてしまうことに変わりはないのよねぇ」

クラウス「そうなのです……まだ決定事項ではないのですが、僅かな寄附金以外は、市の補助金が頼みの綱ですから、このままでいけばいずれ遠からず……」

ドルジ「つまり、寄附金が多く集まればよいのじゃな? 一つ秘策を思いついたのじゃが」

 ドルジがおもむろに口を開く。

クラウス「秘策? 何ですか!?」

 藁をもすがるように食いつくクラウスに、ドルジは言った。

ドルジ「実はわしら、去年音楽祭に出ての。そこで共演した、とびきりの腕利きの楽士が知り合いなのじゃが」

 パンドラら冒険者一同に顔を向けて頷く。

パンドラ「もしかして、それって……」

アイシャ「ゼバストゥス・アンスバッハ先生……ですか?」

ドルジ「ほっほ、ご明察」

 申し合わせたように言うパンドラたちに、クラウスの顔色も明るくなる。

クラウス「かのヴァルトベルクの音楽祭で、去年優勝を獲得された、かのアンスバッハ師ですか!? 皆さんお知り合いだったのですね!」

 目を輝かせて聞き入るクラウス。

ドルジ「ひょんなことから共演することとなっての。師とその楽団に要請すれば、今度のこちらの学芸会で演奏してくれるやもしれぬ。そうじゃな、今夜はもう遅いし、一旦お暇して明日の日曜ミサ後にでも訪ねてみるとするかの」

クラウス「本当ですか! 私もかねがねファンなのですが、そのお方が来てくださるかもしれないとは……!」

ドルジ「ともあれ、交渉次第じゃ。明日をお待ちくだされ」

 ドルジは帰り支度をしながら言った。

クラウス「こんなしがない孤児院のためにこんなに尽力してくださるとは、本当にありがとうございます! どうぞ夜道お気をつけて」

ノエル「カテナくん、おじいさん、お姉さんたち、ありがとっ! 今日はほんとに楽しかったよっ♪ ぜった~いまた遊びに来てねっ!」

カテナ「がぅ! ぜった~いまたあそびにくるぞっ!」

 ドルジたちは、孤児院を後にして、賢者の館へと戻った。

カテナ「ヴァルトベルクのおんがくさい、みんなでがんばったよね! アンナげんきかなっ?」

パンドラ「アンスバッハさん、アンナちゃん。懐かしいわね。久しぶりに会いたいわぁ」

 一年と数ヵ月前の秋、ちょうどカテナとパンドラが一人旅に発っていった直前のこと。懐かしい音楽祭の思い出に浸りつつ、パンドラたちは床に就いた。


※引用歌詞『もみの木』和文詞:パブリックドメイン(作詞者不明)

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