47日目 生き返らせるのは強い人から
「これさ、強い人から生き返らせたほうが良くない?」
「……」
新たな仕様の変更、いや追加機能が今まさに生まれようとしていた。
外注の会社も参加する大きな会議内で、社長の大きな甲高い声が響き渡った。
〈全自動〉
「は……社長」
「これさあ、今って、死んだ人を生き返らせる順番ってランダムでしょ。そうでしょ? じゃなくて、例えば同時に二人が死んだとして、もしそのうちの一人が、すごく強い人だったとするでしょ。それなら、その人を先に生き返らせて戦に復帰させた方が、有利だよね? そうじゃない? ザルトータン君」
「……そうですね」
外注会社の
「仕様変更するってことですか?」
「いや、そうそう! いや、それも考え方の一つなんだけどね、仕様変更というか、このよい〈全自動〉
上司のアムラトが会議に聞こえないように舌打ちしたのが、支社内でははっきりと聞こえた。
「もし仕様変更ということになればですね、当初に聞いていた工数とは異なることになります。それと、契約書にある通り、仕様の追加は報酬の追加及び納期までに実現可能かの判断をしなければなりませんよ。それでもいいんですか?」
外注業者の言葉に、社長が言葉をかぶせた。
「いやね、そういう考え方はして欲しくないのよ! この〈全自動〉
「……できます」
社長が会議中に
「はあ~……」
支社の上司のアムラトはだんだんといら立ちを表に出すようになってきたな、とコタンは思った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます