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そうして、二年の修行を終えた僕は錬金工房での修行に移った。修行する工房は国で最高峰と呼ばれるインカテラ工房であった。そして四年間の修行の旅に出かけるのだった。
「お父様、お母様行って参ります」と別れの挨拶をする。
長くいると家族が恋しくなりそうなので早めに歩く。するとそれを感じたお父様は、気を付けろよとだけ言って早めに屋敷に戻ってしまった。僕にはそれがうれしかったし、優しさだって気付いたけど、妹と姉様は気付いていない様で馬車の後ろの窓から覗いて見たら、ふてくされていた。
そのまま馬車はある程度整備された街道を進み、王城のある王都へ向かった。王都の街並みは今までいたへルティア領と違い、更に整備させれた街だった。
魔術による街灯が均等な間隔で並び、水路が街を走っている。そして馬車は街の中心部に向かっていき、そこに目的の工房はあった。それは工房とは思えないほどの大きさの屋敷だった。前で降ろされると、そこにはムッキムキのおっさんがいた。
「おい、お前、俺見てキモいゴリゴリのマッチョおっさんだと思っただろ」
「いや、お、思ってないですよ」
図星すぎて反応に困る。
「それは、思ってる口だな。出会って早々無礼なやつだ」
「すいません」
僕は多分物凄く嘘が下手なのだろなと感じる。
「まあ、いい。お前がエルトミア=ローグか」
「はい。そうです」
「まあ、入れ、案内するぞ」
と言われても、この人が誰かも分からないままである。
「あなたは誰ですか?」
「ああ、挨拶がまだっだたか、俺はインカテラ工房工房長、カルマラ=ストライトだ」
「はい。ストライトさんこれからお願いします」
「いい、返事だ。よろしくな」
そういって、拳を突き出してきたので、僕も合わせて突き出した。
そうして、僕は早速、工房を見学させてもらうことになった。工房の半分ほどの面積は武器製造に使われ、半分は魔道具制作に使われていた。といっても錬金盤が並んでいるだけの殺風景な風景にしか見えないが。
「そして今日から俺は教育係ってやつだ。でも、まぁ、日常生活のことには首突っ込まねぇから、それは自分でどうにかしろ。部屋は散らかさないようにな。姉貴、ああ寮母さんにキレらっれっから」
「はあ」
経験した口調で言ってるし、多分おっさんの部屋は汚いんだな。
「だが、工房ではお前の師匠だ。まぁ、一人前って呼べるようにしてやるから、それは安心しとけ」
凄い自信だなと思いつつも僕は頷いた。
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