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 それから一週間、僕は結局立ち直ることもなく自分の部屋に閉じこもっていた。ただ、スキルについてどうこう思っていたわけでは無くて、途中からはあの少女のことしか考えていなかった。

『彼女は誰だったのだろうか。精霊とは何なのだろうか』

そんな調子で家にある精霊や神に関する資料を読みあさっていた。しかし、そんな名前の神様はおろか、精霊もいなかった。

 だって資料の神様や精霊は実際に見たわけじゃなくて、信仰のために人が作り出したものなのだから。

 そしてもはや引きこもりも止めて半月立った後、僕は調べるのを諦めることにした。というかそれ以上に重要なことが始まった。

 僕は将来の就職のため、修行を始めた。修行といっても、すぐに魔術や錬金術を学ぶわけではなく、基礎の学力や体力を身に着ける所からである。専門的なことは二年後、出向してから行う。


 その世界の文字は主に、音から形成された【形成文字】と、文字自体が意味を持ち決まった読み方を持たない【形意文字】の二種類がある。日常生活で使うのは【形成文字】の方でこれさえ覚えていれば普通の日常生活を送れるだろう。そして【形意文字】は主に魔術を行使するために使用されている。例えば、魔法陣を形成する文字はこちらである。そして、僕は目指す職業柄、二つの文字を両方覚える必要がある。

 そして、体力づくりの方はもっと単純だ。毎日走り込みをするだけである。まあ、子供が魔力を制御するためにはある程度の体力が必要なので惜しむことなくやっているが。


 そうして二年間はあっという間に過ぎた。単純作業程、辛いことなどないだろうと体感していた。

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