2部屋目

ガチャン。


後ろ手でドアをしめる。


部屋は薄ら寒く、鳥肌がたった。


やけに雰囲気が暗い。


明かりがついたが、光量は非常に少なかった。


思わず天井を見てみたが、そこには電灯が着いていなかった。


どこからこの淡い光は来ているのだろうか。


それは、この部屋そのものかもしれないし、自分から発せられている場合もある。


ただ、考えても考えても、


考えても考えてもわからなかった。



思索に耽るのも無駄だ。


歩き始めた。


相変わらず商品棚が沢山あったが、物は散乱し、見る影も無かった。


おもちゃは箱から出され、狂ったように音声が垂れ流しになっていた。


電源コードが繋がっていないにも関わらず、煩い稼働音がするパソコン。


液晶は割れていた。


種類ごとに分けて陳列されていたはずだが、その場所すらもバラバラになっていたが、


ただ、視界の端に入れただけ。


認識しただけ。


歩き続ける。


食品棚もあった。


同様に、散乱していた。


近くにいるだけで腐臭がし、嫌な気分にさせる。


近くに


いるだけで


見なかったことにし、すぐに通り過ぎる。


あっという間に、ドアへとたどり着いた。

このドアは木製であった。

なんとなく、手作り感があり、それはこの部屋において唯一の良心とも言えた。


いつまでもこの部屋にいたら、自分も破壊衝動に駆られるだろう。


心で感じ取る。跳ね除けられない。


緩めのドアノブを両手で持ち、ゆっくりと開ける。


ガチャン。




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