Coffee Break 1 『熱力学第一法則とは?』-後-
「よーし。前回の続きだな」
「緑光石と熱力学第一法則について、でしたよね?」
「そうだ。じゃあ、いくか。
緑光石の特性からいくと、熱を発するようになるためには温度を上げる必要がある。『収入』分は、このときの加熱分で、温度上昇として『貯金』される。
んで、緑光石の体積は加熱でほぼ変わらないので、仕事としての『支出』はパス。
そして一定温度に達した瞬間、今度は緑光石は発熱を開始する。
これをどうするかという問題だが⋯⋯」
「『収入』じゃないんですか?」
「いや。この場合は『支出』にあたる」
「えっ?! どうしてです?」
「『蒸気エレベーター』の場合と比べてみるとよく分かる。
あのときは、外から加熱して熱を与えた。
だが、今回は緑光石自身が熱を出した。つまり、外に向けて熱を『渡す』んだ」
「なるほど、つまり熱を『受け取る』か『渡す』かの違いということですか?」
「そういうこと。理解が早くて助かる。
つまり、ある温度を越した途端、すぐに大量の『支出』を行うんだ。
ただ問題は、それがどこから来ているかという問題だが⋯⋯」
「『収入』から転用されたわけではないんです?」
「いや。厳密には『貯金』だ。
例えばガソリンを燃やすときを考えてみればいい。最初にチャッカマンで火をつける必要があるが、燃え出すとものすごく燃えるだろ?」
「んんんん⋯⋯、なんか例えに闇があるような気がしますが⋯⋯、そうですね」
「つまりこの場合、エネルギーが物質の中に蓄えられていて、それが放出されたと考えるのがいい。
だから『貯金の切り崩し』と考える方がスッキリする」
「なるほど⋯⋯。つまり、緑光石内部に蓄えられたエネルギーが一斉に放出された、と?」
「まあそうなる。ただ、それだけでは済まない。
物体内に蓄えられたエネルギーはどう頑張っても有限だ。だからいつまでも熱を発するのはありえないんだ。
それに、緑光石が質量増加するのもおかしい。『貯金の切り崩し』を行ったとしても、それに相当するレベルのエネルギーは取り出せないんだ」
「なるほど⋯⋯」
「これが緑光石の『闇』にあたる部分だ。
そして俺は──、この部分の解明にあたるわけだ」
「⋯⋯⋯⋯」
「絶句するだろ?」
「⋯⋯頑張ってくださいね、なんか」
「というわけで、今回はここまでしよう。
今回は『熱力学第一法則』について扱った。
当然第二、第三とあるわけだが⋯⋯、それはリクエストがあったら扱おう。
それじゃあ⋯⋯」
「「また次回!」」
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【作者より】
「熱力学第一法則」について、久々に本を広げました。
「少々難しくなりすぎたかな⋯⋯? それとも端折りすぎた?」と悩みつつも、なんとかまとめ切りました。
さて、前回の天下り的に式を書き直した部分ですが
『外部に仕事をした』=『支出』 なら
『外部から仕事をされた』=『収入』 となるわけで、これをもとに
『貯金』=『収入』+『収入』と書き直すことができるわけです。
⋯⋯難しすぎたですかね。。。
この部分の感想、意見等いただけたら読ませていただきたいと思います。
リクエストも受け付けております。
筆者はよわよわなので、簡単なものだと嬉しいです⋯⋯。
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