Coffee Break 1 『熱力学第一法則とは?』-前-
【注意】
*これは本編と直接は関係のないコラムです。
*微キャラ崩壊&メタ発言注意報発令中。
*科学知識をなるべく簡単にしようとした結果、あまり本質的ではない内容になっている恐れあり。
*そして地の文がない。悲しい。
以上に気をつけて、ゆっくりしていってね(by 作者)
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「江堂とー」
「西門の〜」
「「Coffee Break!」」
「さて、ここでは本編に登場する俺たちが」
「科学に関することについて紹介していきますっ!」
「今回紹介するのは、『熱力学第一法則』だ」
「あー⋯⋯」
「本編でも少しだけ登場したが、読者が全員理系だとも限らないだろうからここで一回詳しく取り上げておこうと思う」
「⋯⋯がっつりメタ発言ですね」
「こればかりは仕方ないだろ。作者だって許可してるし」
「そーですけど⋯⋯」
「んじゃ説明を続けるぞ。『熱力学第一法則』の定義は、概ねこんな感じだ」
『内部エネルギーの変化をΔUとしたとき、ΔUは外界から与えたエネルギー、すなわち外から加えた仕事の総量Wと外から加えた熱の総計Qとの和に等しい。
ΔU = W + Q
』
(『熱力学』 三宅 哲 著 より、一部都合により改変)
「むしろ物理勢とかなら、下の式の方が見覚えあるだろうな」
「⋯⋯⋯⋯⋯⋯」
「まー、ざっとこんな感じだ。とりあえずこの式の解説から──」
「いやいやいや、まったく分かんないんですけど?! そもそもなんですか、その ”Δ” って?!」
「あー、それか。変化量を表す記号⋯⋯といってもわからんか。じゃあ一つずつ書き換えていくぞ」
『
「内部エネルギーがどれだけ増えたか」
=「どれだけ外から仕事をしたか」+「どれだけ外から熱を加えたか」
』
「とまあ、文字で書くとこんなところか」
「⋯⋯これだけ見てもさっぱりなのですが」
「だろうな。それじゃあ、ちょいと思考実験でもしてみるか。
ちょいとその前に、さっきの文字で書いた式を少々別の書き方で表しておきたい。その方が、説明に楽なもんでな」
『
「内部エネルギーがどれだけ増えたか」
=「どれだけ外から熱を加えたか」
』
「どうして上の二つの式が同じになるかだが⋯⋯、今は天下り的に同じだと考えてくれ」
「天下り的とは?」
「あー⋯⋯。ま、とりあえず深く考えるな、ということだ」
「んー、了解です。今は考えません!」
「よーし、それじゃあ思考実験だ」
*<思考実験タイム>*
「そうだな⋯⋯。まず、水を温めたらどうなるか?」
「そりゃ⋯⋯、当然お湯になりますよね」
「ま、それもそうだな。⋯⋯それじゃ、さらに加熱したら?」
「えーと、沸騰する?」
「正解。条件にもよるが、概ね100℃で沸騰する。
このとき、水は気体──、もとい水蒸気になる。
そのとき、体積が一気に大きくなることは習ったことがあるんじゃないか?」
「えーと、多分」
「まー試しに計算すれば分かるが⋯⋯。えーと、ざっと1700倍だな」
「せ、せんななひゃくっ?!」
「そ。結構大きいだろ?
ちなみに、これを利用して動いているのが蒸気機関。有名なとこだと、汽車だな」
「汽車って⋯⋯、SLとかですか?」
「ああ。というわけで、ここでは蒸気機関に関するこんな装置で考えてみようと思う。
題して、『蒸気エレベーター』だっ!」
「蒸気エレベーター?」
「ま、実用的な装置だとは言えないが⋯⋯。
カクヨム版では図が表示できないため、読者の想像に依存することになるのを許してくれ。
ピストン付きの耐熱容器の底に、水を入れる。そして底の上に
すると、水が状態変化して水蒸気になり、体積の膨張によってピストンが押し上げられる!」
「へー!」
「ま、元々入っていた気体の膨張の影響もあるがな。
それと、条件として加えた熱は外に逃げないこととする」
「魔法瓶みたいなものですかね?」
「それ以外だと、魚とかを入れておく発泡スチロール容器だな」
「あー、たまーにスーパーとかで見かけるやつですね」
「そうだ。それじゃあ続けよう。
この装置をもとにして、さっきの式を考えてみようと思う。
まずは内部エネルギーだが、これは言葉通り『内部に蓄えられたエネルギー』を意味している。
より詳しく言うなら、主に物質を構成している小さな粒、つまり原子や分子が振動したり、動いたりするエネルギーだな。
とりあえず今は、『貯金』のようなものだと考えてくれていい」
「なるほど」
「ここまでは大丈夫か?」
「ん、多分大丈夫です!」
「よーし、なら続ける。
仕事っていうのは、簡単に言うと『物体に力を加えて動かす』ことだ。
(『物理基礎』 高木 堅志郎、 植松 恒夫ら 編)
この場合だと、大気圧に逆らっておもりとピストンを上に持ち上げるのが『仕事』にあたる」
「なるほど」
「『内部エネルギー』を『貯金』と例えたのに倣うなら⋯⋯」
「『お金を使う』こと、ですか?」
「そう! 大正解。⋯⋯ただ、いちいち『お金を使う』って言いにくいな」
「えーと、『支出』とかです?」
「んっ! それだ!」
「わわっ、突然大きな声出さないでくださいよ⋯⋯」
「ああ、すまない。ゴホン、⋯⋯戻るぞ。
最後に『どれだけ外から熱を加えたか』だが、これは『収入』だな。
つまり、まとめると『貯金+支出=収入』となる。
これが意味するのは、突然どこからともなくエネルギーが湧くようなことはないということだ!」
「なるほど、確かにお金も勝手に湧いてきたりはしませんものね」
「ということ。それじゃあ今回はこの辺で⋯⋯」
「あの、それなら緑光石の場合はどうなるんですか?」
「⋯⋯⋯⋯」
「えーと、聞いちゃマズイことでしたか?」
「あー⋯⋯、やってみるか⋯⋯」
「⋯⋯なんか汗かいてますけど、大丈夫です?」
「いや、ダイジョーブなんだが⋯⋯」
「もしかして私、聞いちゃいけないこと聞いてしまった?」
「いや、やれないことはないのだが、混乱する恐れがあるんだよな⋯⋯。
とりあえず、ここで一旦切ろう! 残りは次の話へ!」
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【作者より】
カクヨム版には挿絵がないのを失念しておりました。
小説家になろうorノベルアップ+か、twitterにて公開しているのでそちらもぜひ。
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