【DNAの可能性!?……ピコグラムでそれほどまでの記憶媒体としてのパワーを持つとは……っ!?】
みんなはDNAを愛してやまないか?
私はそこそこ好きだが。
昨今のSF作品の元気の無さにより、以前ほどDNAネタやナノマシンネタとかなくてさみしいもんだな。
自力で書くのもめんどいが、温めてあるアイデアもなきにしもあらず。
まあ、忙しいから書けなさそうなんだが。
さて。
DNAの一つの可能性に、正確な記憶媒体としての能力がある。
みんなの細胞の一つ一つに核があり、核にはDNAが完全配備だ。
遺伝子そのものはCD一枚分の情報量に過ぎないとしても、人間さんの細胞は37兆2000億個(嘘っぽいが60億個説もある)もあるんだからな。
さーて。
CDのタイトルを一秒間に確認できる枚数って、何枚だ?
3枚あたりが限界かな。
かりに一秒間で3枚CDを数えられたとして。
37兆個を確認するには、不眠不休でも40万年かかったりするぞ。
なかなかワケわからん数だよな。
とにかく。
クソ小さな細胞にCD並みのデータを保存できるってのはなかなか魅力的だな。
しかも、こんなに膨大な数の細胞がコピーを繰り返してるのに、あんまりエラーが起きてない。
DNAは記憶媒体として少量で膨大な量を記録しつつ、複製に損傷が少ないっていう優れた特性を持っている!
しかもだ。
じつは工学的にDNAって、いくらでも編集できる。
所詮は正体が判明しているシンプルな化学物質だからな。
好きなDNAを書いて、細胞のDNAと取り替えてるのがバイオテクノロジーの現場だ。
たとえば、野菜のDNAに、より美味しくなるDNAを人工的に組み込めたりしてるな。
プログラムを書き換えてんのと同じよ。
機能を持たせたDNAを組み込むことで、その生命に新しい機能を与えることも可能ってわけだ。
DNAはどんな編集も可能だぞ。
意味あるものも。
意味のないDNAパターンでも、好きに書ける。
つまり。
DNAは『少量で膨大な記録が可能』で、『複製しても劣化せず』、『簡単に編集できる』んだ。
これな、理想的なメモリーの特徴を持ってるよなー。
なので。
DNAを『記憶媒体』として使う研究していた学者らもいるのだ!!
DNAの塩基の組み合わせをビットとして使い。
デジタルな信号みたいに、01の配列のよーにして、並べて行くわけだ!
そーすると。
電子書籍みたいに、データ化した情報をDNAで書けるよな?
じっさいに。
書いてみたー!
そして。
その精度を計測すると、数千回のコピーでも100万ビット中、2ヶ所ずつくらいしかデータ化けしかしてなかったよーだ。
データ化けしまくってる、ハードディスクより有能だな……。
私たちの遺伝子さんのエラー発生率はかなり低く、少なくとも最先端のパソコンさんのハードディスクよりも記憶媒体として優れている点があるわけだ。
なお。
面白いのは記憶媒体として必要な量だな。
極微量でデータを保存できてる。
教科書の文字数をバイト数で表現するとどんなもんかなー。
そこそこ分厚くても文章だけなら数百キロバイトってレベルだろうな(絵とか写真を含むと跳ね上がるぞ!)。
これ。
DNAで表現しようとしたら、1ピコグラムで書ける。
ピコグラムってなに?……ってなるよな。
分かりやすく言うと、10億分の1ミリグラムだな、1兆分の1グラムでもいいが。
つまり、『たった1グラムあれば1兆冊の教科書の文字データが保存できる』ほど、DNAの記憶媒体としての能力はあるというわけだ。
しかも。
コピーしてもエラーがかなり起きにくいと来たもんだからなー。
生命が何十億年も効率化しつづけてきたシステムは、なかなかの高性能なのである!
これに一部の学者さんたちはワクワクしてるわけだな。
最高のメモリーを作るための素材になるかもと。
まあ、DNA読み取ったり編集したりする機械とかのサイズとか値段とかが。
かなり安くならん限りは実用性は生まれんだろうが。
生体素材の持つ可能性を追求する研究としてはワクワクもんの研究だよな!
それと。
ハードでダークなSFのネタになりそう!
悪者「彼らの遺伝子そのものを記憶媒体としたんですよ。もはや、彼らに細胞分裂なんていう生理現象は必要ありませんから。ただ全身の細胞、全身のDNAに、私たちの研究情報を刻み付けたメモリーとして存在しているんです」
とかな。
人間記憶媒体……怖さもあって良いかも。
人間を家具にしましたとか、ゾッとするけど娯楽的な面白さもある。
ちなみに。
死んだ細胞だと細胞分裂しないから、記憶媒体としては生体を使うよりも一種すぐれているんだぞ。
くだんの実験は、生体ではなく、DNAをガラス編に張り付けてリーダーで読み取った。
うむ。
人間記憶媒体か。
悪役の行いとしては魅力を感じる造形かもしれん。
あー、ヒマがあったらSFも書きたいな~。
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