【ロダンの考える人は考えて……いない!?なんだそれ、タイトル詐欺じゃねえかよ!!】



みんなは芸術を愛してやまないか?



私は芸術を愛している派の可愛らしく知的な人物でありたいとか願望している。



今日も徹夜で知的労働をする予定だ。



金のためにな。



働きたくないが、しょうがねえ。



シナリオをがっつりと書くぞー。



だが。



その前に現実逃避タイムだ。



みんなは、ロダンって芸術家を知っているか?



彫刻で有名なんだが。



考える人ってのが有名な作品のひとつにある。



見たことぐらいあるんじゃないか?



学校の美術の教科書とか。



分かりやすい名前だし、見た目通りにいかにも考えていそうだから覚えやすいはずだ。



ただな。



あれ。



本当は考える人って名前じゃなかった。



ロダンはあれを『地獄の門』という大きな作品の一部として製造していた。



そして、あの像自体にはそもそも詩人って名前をつけていた。



あの考えていそうな人は、地獄に落ちていく悪人を見ているらしい。



元ネタは西洋のキリスト教文学ではやたらと愛されるダンテの『神曲』だな。



天国とか地獄を旅する物語だが。



あの考えていそうな人は、それの主人公なんじゃないかとか。



あるいはロダン自身をモチーフにした像なんじゃないかと言われている。



別にあれは考えているのだとは決まっていない。



ただ地獄に落ちていくヤツのことを見てるだけなのかもしれん。



鋳造する職人が、勝手に考える人って名前をつけたんだよ。



パッと見て、いかにも考えていそうだからだ。



我々は、名前やタイトルに踊らされがちである。



分かりやすいものへと流されてしまいがちだな。



しかし。



考える人がいかにも考えていそうだからといって、ほんとうに考えているとは限らないのだ!



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