【薬の作り方!?は、ハイテクなんだかローテクなんだかあ!?】



薬って、どーやって作ると思う?



モノによって色々と方法はあるんだが、最も効率的なお薬の生産方法のひとつは、一種の家畜を利用して行っている。



その家畜の代表格が、大腸菌だ。



我々は家畜化し、遺伝子改造を施したバイ菌さんたちにお薬を作らせているぞ。



みんなが風邪引いたりしたときや、なんかの病気になったときに使うのは、バイ菌さんが作ってくれたお薬なんだよな。



引くか?



引くのは、まだ早い。



大腸菌に薬を作らせる方法は、薬となる物質を作る遺伝子を切り貼りして作る。



大腸菌は生きている間、自分に不必要な、お薬成分を作らされ続けるわけだ。人間のためにな。



しかも、繁殖させるのが簡単な家畜だな。



栄養や場所さえ与えておけば、大腸菌さんは勝手に増殖し、そのまま薬品成分を体外にまいたり、溜め込んだりする。



そして、収穫のときはくるのだよ。



たくさん増えた薬をその身に宿した大腸菌さんたちを、ぶっ殺してぐちゃぐちゃにかき混ぜる。



そのあとで、遠心分離機とかにかけたりするんだわ。



あれって、成分の重さとか大きさによって、それぞれの層に分離するんだ。



つまり、大腸菌さんたちを砕いたスープからは、大腸菌さんたちの不必要な残骸と、人間が求めているお薬成分が分離する。



そいつを回収すれば、お薬成分はゲット出来るってわけだよ。



人間て、スゲーことしてんなー。



バイ菌さんまでも家畜化してんだよね。



そんで作られたお薬さんたちを、人間が使っているわけだ。



あれも無数の家畜化されたバイ菌さんたちの命と犠牲で成り立っていると思うと、なんかありがたみが増す?



人それぞれの感想を持ちそうなテーマだよな。



薬ってなんかこうSFみたいな雰囲気で薬品合成させて作ってんのかと思いきや、意外と畜産業にも近い作業で作ってるんだわ。



工業用のドギツイ化合物とかは別だけども、人間に使えて複雑な機能を発揮するタンパク質のカタマリを作るには、生物を利用することが適していた。



複雑なデザインの分子のパズルを、化学的な手順で組み上げるより、その分子を勝手に生産してくれる生物を作ってしまうほうが効率的だったわけだ。



これを人間に置き換えると、残酷なSF作品が出来たりするよなー。



家畜として他人に必要な何かを生体工場として作らされるとかな。



ちなみに。



現実世界には、人ではいないだろうけど、ヤギとかには遺伝子組み換えられて人間用の薬品成分を乳で出す子とかが作られている。



人間の血液からしか生成できないはずの成分を、このヤギは出す。



献血して薬を作らなくても、このヤギさんからならその薬が出来るというわけだ。



科学は気持ち悪いレベルで有益だったりもする。



遺伝子を改造された家畜たちは、バイ菌から哺乳類まで色々といる。



私の個人的な意見だと、こういう生物の利用はオッケーだと思う。



もちろん人によれば、拒絶反応起こすかもしれんがな。



でも、こういう役に立つ生物のおかげで、世の中の色々な薬品が出来てるっていう事実は知っておいても良いことだと思うんだよ。



あとは薬じゃないけど、古くから人間が家畜化している微生物には、チーズや酒や納豆を作る酵母という名の細菌たちもいる。



人類は古くからバイ菌さんを家畜化してきてはいるわけだ。

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