【キリンの舌の色は黒い!!……な、なるほど、ちゃんとした理由があったのかよ!?】
キリンって意外と面白要素の多い動物だよな。
モーって鳴くとかな!
頭の角のてっぺんはハゲてる!!
ときどき、小鳥をモグモグして食べちまう!!
血圧高くて、横になると脳出血で死ぬ!!
首は長いけど、人間と同じく首の骨は七つだけ!!
……色々と面白要素満載の動物さんだな。
とんでもなくマニアックな話だと、反回神経が三メートルとかあるとかな。
何のこっちゃとなるかもしれんが、人にも反回神経ってのがある。
脳から出て、心臓の近くまでいって、ノドまで戻ってくる神経があるんだよ。
いちいち心臓まで行かなくても、脳からノドまで直通すりゃ早いのにな。
これ、ちゃんとキリンさんにもある。
人間と同じよーに、脳から出てバカみたいに長い首を通って心臓まで下りたあと、また首を上ってノドの近くまで戻る。
キリンの解剖をする映像を見たことがあるんだけど、解剖学者がキャッキャッ言うてよろこんでたな……。
「なげー!反回神経なげー!」って、解剖学知ってるヤツしか楽しめないことで盛り上がっていた。
まあ。
マニアック過ぎるから忘れてくれ。
とにかく。
面白要素満載のキリンさんだけど、舌が黒い青だったりもする。
哺乳類の舌って、だいたいピンク色なんだけどな。
ピンク色の理由は血管が豊富だからだ。
じゃあ、キリンの血って黒いのか?
もちろん、そんなことはなかった。
キリンの舌にはメラニン色素が多くて、皮膚からして黒い。
どうしてなのか?
答えは『日焼け止め』のためだ。
キリンは長い舌を伸ばして、木の上の葉っぱを絡めてはモグモグしてる。
一日中そんなことしてるから、メラニン色素で守らないとヤケドしちゃうってわけだ。
フツーの草食動物は木の上なんて狙わないから、そこまで日焼け止めする必要なんてなかったが。
キリンさんの舌には日焼け止め対策が必要だったわけだ。
変な形しているだけはあって、色々と特別な進化をしている動物ってことだな。
ちなみに。
キリンっていうのは、アフリカの現地の言葉『ゲリ』が元になっているぞ。
それを『麒麟』と聞き間違えてワクワクしちゃったのが、中国は明の時代の鄭和(ていわ)って方だ。
ことひと、アフリカ近くまで艦隊を率いて旅したんだけど。
キリンをプレゼントされて中国まで持って帰った。
麒麟ってのは中国の神話に出てくる霊獣で、偉大な皇帝が世の中を支配していないと現れんという存在だ。
鄭和の上司の永楽帝ってオッサンは、甥っ子から帝位を奪った男だからな。
劣等感が強かったのか、麒麟を献上されてワクワクだったらしいぞ。
なお。
今は中国じゃ、キリンさんのことを麒麟とは書いてない。
長頚鹿(長い首の鹿)って書くぞ。
日本じゃキリンって呼んでるままだな。
私たちが知っている珍しいソマリ語だ。
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