【ダーウィンは見た!小さなクモって風がないのに飛べる!?そ、そんなあほな……だけどガチだぜ!!】
クモってスゲー能力を持っている。
てんこ盛りだな。
むかーし、私の好きな科学者の一人にダーウィンってのがいるんだ。
進化論の提唱者として有名だな!
キリスト教の強かった19世紀当時はディスられまくってもいたらしーが、それでも種の進化の法則を作り出した。
淘汰だな。
自然環境に適した生き物、自然淘汰。
あとは異性にモテやすいことによる性淘汰とか。
そういうもんが圧力になって、生物の進化の方向が決まっていくという発想になる。
んで。このひとがビーグル号って船で世界をぐるって回ったんだが。
あるとき船のマストにな、小さなクモが降り立った。
太平洋のど真ん中なのに、クモが飛んできやがったんだ。
むっちゃくちゃ小型のクモだ。
そいつが糸を出して、飛んできた。
風に乗って飛ぶんだろう。
そう思うよな?
でも、ダーウィンは着眼点がスゴかった。
風の無い日なのに、船からクモが飛び立つことに気づいてもいて、その観察について書き残している。
ダーウィンはそれが解せなかった。
ぶっちゃけ、それから150年ぐらいよく分からなかったんだがな。
でも、近年になって理屈が解明されている。
小型のクモのヤツは、糸を扇状に吹き出して、そいつを凧のようにして風を受けて飛ぶ。
そう思われていたが、ダーウィンが知っていた通り、風がない日にも飛びやがるんだよ。
この扇状になってることにピンと来た科学者がいた。
これ、静電気で広がってんじゃね?
……小さな頃、下敷きで遊んだよな!
下敷きで髪をゴシゴシやると静電気で立つよな。
クモの吐いた糸も静電気がある。
んで。
世界のあちこちに電場ってのがある。
電気的な柱みたいなもんだ。
そいつがあちこちにあって、クモはそいつを前足の毛で感知できている。
電場に対して、クモは吐いた糸を使って浮く。
マイナスと電気がある場所に対して、マイナスの電気を帯びた糸を吐くとだ。
マイナスとマイナスが反発し合って、浮かぶ力が発生している。
米粒みたいな小型のクモの体重でしか無理だが、それぐらい小型のクモに限れば、電場の反発だけを使って浮かぶ。
実験室の箱のなかでも、電場を感知したクモが糸を使って浮かぶことが確認されている。
……ワケわからん話だが、ガチな話だ。
小型のクモは電気の力で飛びやがる。
ダーウィンが知っていた通り、風じゃない力で飛び立てるんだよ。
どのぐらいの高さまで浮けるかというと、なんと上空4000メートル。
数百キロは飛んでいくぞ。
ビーグル号にやって来たのは、そうやって電気と風に乗って飛んできたクモさんだったし。
飛び立ったのはビーグル号が電場に入ったときに、反発する質の電気を帯びた糸を吐いて飛んだ瞬間だった。
……クモって、大嫌いな生き物なんだけど。
なんか能力が高すぎるんだよなー。
ダーウィンもあの世でこのこと聞いたら、ニヤニヤしちゃうかもだな!
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