【全勝無敗のアレクサンダー大王がスゲー!!なにがて、そりゃもう色々とだってばだが、この戦術を見てくれえええ!?】


アレクサンダー大王って知ってるか?



世界史で何となーく習って、ヘレニズム文化うんぬんとか言ってるうちに終わるよな。



でも、ほんとにスゲー。



若死にするんだけど、戦争で負けたことがけっきょく一度もなかった。



連合国家であるギリシャを制して、そっから大国ペルシャを倒して、エジプトもゲットしてインド北部まで攻め行った。



あちこちで戦って全勝!



とんでもねえ強さだな。



将軍として強いという前に、本人も先陣を切って敵に突撃するような猛者だった。



そのせいで死にかけてもいるレベルだぞ!



何かもう半端ねえ。



アレクサンダー大王のスゴさが分かる戦いはたくさんあるんだけど。



アメフト大好きっ子としては、ガウガメラの戦いがクール過ぎて惚れる!!!



ガウガメラの戦いはどんなのかっていうと、アレクサンダー大王と、その当時に最大の覇権を誇っていたペルシャのダレイオス三世との決戦だな。



戦力は、アレクサンダー大王側が47000!



敵さんは200000~250000だ。



……5倍はいたっぽいぞ。



ちなみに伝説ではダレイオス三世軍は100万の軍勢だったりもする。



紀元前331年のことだから、真実の数は分からないけど、少なくともアレクサンダー大王側の圧倒的な不利だったのは確かだな!



実際、アレクサンダー大王は部下から「このままじゃ無理です、夜の闇に紛れて奇襲しかけましょうぜ!!」って持ちかけられた。



でも、「私は勝利を盗まない!」( ・`д・´)



って言い返してる。



さっさと寝て体力を万全にするんだ!絶対に勝てる!!……とまで言っている。



実際に勝っちゃうんだけどな、5倍の敵相手に。



私がガウガメラの戦いが好きなところは、そのクールな戦術だな。



アレクサンダー大王は軍事的な天才ってことが本当によく分かる。



アレクサンダー大王はこの戦力差が絶望的な戦いに対して、とんでもない戦術を選んだ。



まずは、こんな形に展開した。



敵敵敵敵敵敵敵敵敵敵敵敵敵敵敵敵敵敵


        ア

       アアア


もう、泣けてくるぐらいの戦力差だなー。



でも、これ、面白いんだぜー。



古代の戦ってのはさ、『囲まれないようにするのがセオリー』だ。



囲まれると、角から秒で殺されていくからな!



囲まれた角って、二ヶ所以上から同時に攻撃されるからだ。



じゃあ、囲まれないようにするには?



とーぜんだが、軍隊を横に広げた方が強い。



包囲されにくくなる。



でも、アレクサンダー大王は隊列を横に伸ばすんじゃくて、ギュッとまとめてるよな。



 ア     

アアア  より、 アアアア  とかのが、まだ囲まれにくいはずだよな。



でも、アレクサンダー大王さまは『あえて囲まれやすく兵士を配置させていた』。



セオリーに反する自殺行為?



フツーはそうなるけど、天才将軍のオツムは色々と桁が違っていた。



敵もアレクサンダー大王の陣形の欠陥に気がついた。



「囲めるじゃんかよ、ラッキー!!うへへへ!!」ってノリになる。



もちろん、攻めまくってきたな。



     ダ王

 敵敵 敵敵敵敵 敵敵


敵敵敵

敵敵敵       敵敵敵敵敵

敵ア敵       ア大王ア敵



こんな惨状になっちまった……っ!


 

分断されているし、取り囲まれているしで最悪だな。



でも、これはアレクサンダー大王の計算の通りだった。



分断されたわけではなく、アレクサンダー大王の率いる右側の部隊は、とにかく戦争が始まると「右に向かって走っていた」。



左の部隊には「とにかくその場でステイだ!!囲まれてもガンバ!!」って命じてな。



何したかったんかというと、ひとつは敵の密度をコントロールしてる。



敵が集まっていれば、さすがに物量差で負けちまうんだが……たくさん敵がいても、まばらに配置されてると弱くなる。


     ダ王

 敵敵 敵敵敵敵 敵敵


敵敵敵

敵敵敵       敵敵敵敵敵

敵ア敵       ア大王ア敵




敵の親玉を守る戦力は多いが、最初に比べれば少しは減っているな。



で、『相手を囲めば勝つのが古代の戦だ』。



なら、敵さんはそうしたいと思うよな?



左右に分断した大王の軍のあいだに、後出しでも対応可能な速さがある『騎兵』を投入することにした。


     ダ王

 敵敵 敵  敵 敵敵


敵敵敵  

敵敵敵    敵    敵敵敵敵敵

敵ア敵    敵    ア大王ア敵



こう動かれてしまった。



かなりピンチだよな?……でも、アレクサンダー大王は死ぬほど笑顔だったはずだぞ。



これ、ダ王のとこ『がら空き』になってるよな。



アレクサンダー大王は全部読んでデザインしていた。



自ら騎兵を率いて、敵の親玉であるダ王めがけて突撃していった。



今まで右ばかりに移動していたのが、いきなり反転してな。



でも、自分のところに敵騎兵が近いよな。



当然、そいつらは対応しようとする。



アレクサンダー大王はそれも予想していた。



だから、もちろん対策を用意していんだぜ!!


    ダ王

敵敵 敵  敵 敵敵

   

     大王   

敵敵敵  

敵敵敵   敵ア    敵敵敵敵敵

敵ア敵    敵       ア敵



大王の後ろを守るために、騎兵ほどじゃないけど速く動ける軽装歩兵たちがいた。



そいつらは大王の背後で敵騎兵の邪魔をする壁として展開したわけだ。



勝てなくてもいい。時間を稼げばいいわけだ。



大王率いる精鋭の騎兵たちが、敵の親玉をぶちのめすまでな!!



大王は軽装歩兵がダレイオス軍の精鋭騎兵と戦っている間に、敵本陣に突撃、ダレイオスを攻めまくり、ダレイオスはそのまま敗退して、戦場から逃げ去り戦いは終わった。



1.あえて囲まれやすい陣形で、自軍をおとりにして『猛攻させた』。



2.左の部隊にその場で待機させながら、自分は右に動くことで、敵軍をストレッチさせて密度を薄くした。攻め込むためのスペースを作ってもいるぞ!



3.左右に開いたことで、敵の精鋭騎兵がそこに止めを刺すために『突撃したくさせた』。



4.敵の精鋭騎兵の前進に合わせて、『入れ替わるように自分が率いる騎兵をダレイオスに向けて走らせた』。



5.その背後を軽装騎兵に守らせた。



アレクサンダー大王は自分も含めて、全員を囮にしつつ、敵本陣が弱体化するような作戦を最初から立てて、実行したわけだ。



兵の動きだけで敵を分散し、しかも劣勢に陥ることで敵を自分がデザインしていた通りに動かしている。



て、天才すぎるよな!!!



さすが生涯無敗のアレクサンダー大王さまだぜ。



これ、理論として正しくあるから、現代でも軍隊の戦術とかアメフトの作戦とかにも使われてるな。



陣形や動きで敵の行動をコントロールしたり、攻めてきた敵と入れ替わるように進むことで攻撃力を高めたりとな。



なかなか痺れるわー!!



アレクサンダー大王の天才っぷりがいかんなく発揮されたクールなバトルだな!!



アレクサンダー大王のこの戦い、私、ほんとーにラブだー!!!

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