【アトリエにいないタイプのリアル錬金術師の爆発実験!?……これは金かかってしかたがねえぞ!!】
錬金術師ってリアルでもいたんだぞ?
アトリエにいる百合っぽい薄着の美少女たちばかりじゃなく、オッサンがメインだったみたいだがな!
リアルにはガッカリがつきものだが、錬金術師たちは感心すべき点も多い。
私が敬愛している科学、それの根幹を作ってはくれたからな。
神秘が支配する古代世界においても、そこそこ近代になっても、錬金術師たちの物質の本質への探求はつづいた。
今でこそ物質って原子や分子によって組み上げられているって知られているけど、それが分かる前は謎だった。
化学変化は知られていたからな、これとあれを混ぜると、こんなことになる!みたいなこと。
経験則で化学変化を用いていたからこそ、そこには理屈があるはずだと錬金術師たちは考えた。
物質は変化するという認識だったからこそ、その理屈を解明すれば、こっちの思うがままに物質を変えられるんじゃね?……って発想だ。
おかしくはないよな。
ごもっともだ。
錬金術が神秘なところは、物質が変わる理由に哲学的な要素を反映したことだ。
金属には金、銀、銅、鉄なんかがあるな?
コイツらのなかで1番いいのは、金だ。
でも、みんなそこそこ固いし、光沢なんかも似ている。
そもそもは同じようなものに違いない、と考えた。
次に、金属が優れた金である理由と、劣った銅である理由がそれぞれにあるはずだー!ともな。
似た物資のなかに優劣があり、この理由を知り、いじくれるようになれば?
ある金属が銅でなければならん理由を変えて、金になる理由に書き換えれば、銅は金になる。
そんなカンジでとらえた。
聖なるものは尊く、そうでないものは冴えん。
それが古代世界の概念だ。
そして、哲学は愚鈍な凡人が学問を行い知識を高めることで賢者となることを知っていた。
この哲学を錬金術は、物質の根拠にも応用した。
銅は聖なるものに成り損ねた、愚者みたいなもの。
金は勉強がしっかりできる聖なるもので、賢者だ。
銅さんにも勉強させて知識を与えれば、より優れた金になるんじゃね?……という考えだ。
バカでも勉強したら賢くなるよな?
バカ=銅でも勉強=金に至る何かをしたら、賢くなる=金になる。
そんな考えだったわけだ。
錬金術は、モノをより優れたものにランクアップさせるという、なかなか前向きな学問だった。
その過程でさまざまな知識を集めて、世界の心理を解き明かそうとがんばった。
結果、自然科学の基礎が集まって、現代の科学につながっていくわけだ。
んで。
錬金術師たちはいろんな実験もしていたわけだが、個人的に最もワクワクなのが『雷金』だな!
金ってな、実は爆発するんだよ。
現代でもときおり金の化合物を使った現場で爆発事故も起きる。
想定せずに爆発させちまうという事故で、レアケースだがな。
錬金術師が爆発させるためにつくった、金の化合物、それが雷金だ!
名前、カッコええ!厨二心にストライクだよなー!
こいつを爆発させて、錬金術師たちは爆発の衝撃波の動きとかを観察していた。
……。
……もったいなくね?
金、爆発させて消費するとかな。
希少物質なのに、バーン!と爆発させて、爆風の痕跡とか観察してたらしいぞ。
錬金術師なんてやってたら、実家とかの財産とかなくしちまってたろーな。
錬金術師は金を作れなかったけど、金は雷金にして爆破しちまっていたんだ……。
まあ、古代からの散財のおかげで、科学が成り立ち、私たちが愛してやまないゲームとかも作られている!
百合っぽい錬金術師の美少女たちが山ほど作られたのも、金を爆破していたオッサンたちのおかげでな!
ありがたいことだ!
ちなみに銀も爆発するぞ!
雷銀こと窒化銀は、なんとハエが止まっただけでも爆発するヤンチャ小僧だ!
どっちもつくるなよ!得るものはないぞ、アトリエだけで十分だ、錬金術師さんは!
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