エピソード4 サングラス
海岸を見つめる彼女。
道路の柵に寄りかかり彼女を見ている男。
「バレーボールやってるね」
「ビーチバレーかい」
「そんなんじゃないよ」
「ネットみたいなものはあるけど」
男は振り返って砂浜を見る。
「どこにいるの」
「いるでしょう、ぷよぷよの二人」
彼はサングラスを外して目を凝らす。
「おじさんはいるね」
「見えないの、女もいるでしょう」
「たしかに。でも、ぷよぷよじゃないよ」
「ぷよぷよよ」
「いや、胸は大きいけど」
「ちゃんとくびれてる」
彼はそう言ったあと彼女を見た。
「何よ」
女は恥ずかしそうに手を体に巻き付ける。
「そりゃ、あたしは胸小さいわよ」
「くびれてないし」
「でも好きだよ」
「大きい胸は苦手だ」
「そうなの」
「ねえ、あの人。さっきの人に似てない」
「さっきの人って」
「ほらさっき、こっちを見ていた」
「ジンジャーエール飲んでた人」
「そんな人いた」
彼女は彼に近づいて、彼の外したサングラスをかけてみる。
「よく見えないじゃない」
「そうだね」
「そのサングラス、よく見えないんだ」
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