第14話 正面突破
俺は助けてとチャットに送られた時から四日間、死ぬ気でレベル上げに明け暮れていた。今となっては、当初のレベル52から84まで上がっている。
なぜ、そこまで上げれたのかといえば、それはオールしたからである。日夜寝ずに、朝昼夜の食べる時間も減らして頑張ったのだ。コーラル港周辺のモンスターやダンジョンやらで手に入る貴重な素材を使って、コーラル港の鍛冶屋にて【ハイメタル・ソード】を制作してもらった。
「俺の武具によるステータス補正があれば、あいつらにレベルが届かなくても勝てるはずだ。しかも、新しいスキルを手に入れた。彼女を助ける準備はできている。この大陸の情報屋からもやつらの情報を仕入れてある。やれる……行ける!」
コーラル港に別れを告げて、真ん中の道をひたすら走り続ける。俺が向かうのはギルド、ゴールデンランドのホームがあるゾビエトシティだ。
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「おっ、やつがコーラル港を出て真ん中の道を進んでいやすぜ。俺たちのギルドホームのある街を、知っているかのようにな」
俺が任せられてる任務は
そして、ギルマスから返事がきた。
「そうしてもらわなくちゃ、困るよォ。フフフ。私の獲物に自らなりにくるとはねぇ。バカにもほどがあるってもんよ。よし、そのまま観察をしなさい。そして、私のギルドホームの目の前まで来たら殺しなさい」
「うっす」
暗殺者独自のスキル、【瞬間移動】を活かして彼の同行を観察し続けている。そして、なぜ俺が圏内にて人を……、プレイヤーを殺せるかというとスキル【殺人鬼】があるからだ。
殺人鬼というスキルは、暗殺者のみに与えられしスキル。この大陸専用らしい。敵のHPを0にすれば、殺せる。殺人が正当化されるということだ。この世界で死ねば、アクセスゲートへ帰還することもないのだ。
それを知ったのは、先月のことである。暗殺者という職業に転職した俺は、その殺人鬼のスキルを行うためにプレイヤーを一人殺めた。そしたらどうだろう。そのプレイヤーの一番最後に通ったアクセスゲートにギルメンがいたが、そのプレイヤーの姿はなかったというではないか。
「ククク……。この臨場感は堪らないねぇ!」
彼が、ギルドホームのある街へ入って行くのを確認し、俺は腰に帯びた短剣を引き抜いた。
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「ようやく着いた……、ゾビエトシティに。やつらのギルドホームは……。ん、あの一番目立つデカい屋敷のようなあれか」
ここへ来る間に、なんらかの気配を感じていたが、気にせずにギルドホームの正面へ到着した。
「俺の名前は、ダイモン!リサという少女を助けに来た!さぁ、返してもらおうか」
返事が来る前に、正面突破でギルドホームへ潜り込もうとするが、玄関で関係者以外立ち入り禁止という警告アラームが鳴った。
すると、横の敷地内の建物の窓が空いて、二人の女性が姿を現した。
どちらも、とても可愛らしい。だが、片方には恋愛対象と見る目がなかった。なぜなら、ナイフを手に、もう1人の彼女の首に後ろから手を回して人質のようにしているからだ。
「フッ、フフフハハハハ。この子を返してほしいんでしょ?なら、その場から動くな。いい?金を置いて武器を捨てなさい」
当然、彼女の言い分など聞くはずがなく。
「どっちみち、リサを殺すだろ。なら今すぐフーラさんのとこへ行き、殺してやるよ」
「そんな生意気な口をきけるのかなぁ?この子が殺されるのかもよ!?」
「お前にはその子を殺せない」
「っ!?」
フーラが驚くのも無理もない。なぜなら、俺が使えるはずもない魔法。しかも、風の初級魔法で一瞬にしてナイフを弾き、リサの髪の上の空を切る感じにして天井に刺さったからだ。
ここからは、刺さってるかどうか見えないけど。
「くっ!やってくれたわね!?やりなさい、暗殺者。私はこの子を連れて退散するわ」
「了解」
なにやら電話機みたいなので、ヒソヒソ話しているらしい。
「!?カハッ」
情けなく、俺は血を吐いてしまった。まあ、偽の血だが。背後から、何者かに攻撃されたのだろう。少しHPが削れているのが見えたので、余程の手練なのだろう。
「へぇ〜圏内で攻撃を与えることできるんすねぇ」
のんきに俺は影に隠れている、敵に煽る形で言ってやる。
そして、新しく手に入ったと先程言ったスキルを説明する。そのスキルの名は【スキルコピー】である。その名の通り、敵のモンスターであろうと、NPCであろうと、プレイヤーであろうと、全てにおけるスキルをコピーし、そのまま俺の者にできてしまう。
もちろん、効果時間は永久だ。
つまり、俺は何者かから殺人鬼というスキルと、瞬間移動。そして、アサシンブレイドをコピーした。
さらに、先程フーラへ使った風の初級魔法も、フーラから俺がコピーした魔法だ。魔法もスキルという概念に入るらしいからである。
「あんただけが、圏内でプレイヤーを殺せると思ったら大間違いだよ」
そして、暗殺者のいる所へ瞬間移動。さらに瞬間連続攻撃である、アサシンブレイドを剣を使って、敵へ叩きつける。暗殺者は一瞬にして切り傷を大量に浴びて、その場でポリゴンの欠片となりて消えた。
そして、フーラどものいる建物の目の前まで来ては、
「お前らに助かる道なんて、ないんだよ」
という助言をして屋敷のギルドシステムをなんらかの手によって破壊して、ギルドホームへ侵入する。
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