第9話 二度目のダンジョン
ダンジョン恐怖症を発生させてしまったが、俺は一通り準備を整えて装備に着替え、ダンジョンへ潜ろうとしていた。
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レベル
13
プレイヤー名
ダイモン
HP350
物理攻撃力
452
魔法攻撃力
23
物理防御力
124
魔法防御力
100
すばやさ
56
幸運
100
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俺のプレイヤーカードはこんな感じで書かれている。先日に会ったリサという美少女、一人で大丈夫なのだろうかと心配していたが、大丈夫だろうと自問自答する。
「あいつらに仕返しをするために……、俺は最初にダンジョンを攻略しなければならないのに」
こうして、せいすい10個を持ってダンジョンへ出発したのだった。
「さぁ、出てこい!【口笛】」
口笛を鳴らすと、アンデッド系モンスターがうじゃうじゃ出現してきた。それもなんと6体だ。幽霊系モンスターがいないのが幸いだろう。
まず骸骨種である、【サーベル・ガイコツナイト】が3体。ゾンビ系の【イニシャル・ゾンビ】が3体。あとの4体はアンデッドではない、スライム系の【イエロースライム】だ。
「ただ俺が後ろに背を向けて逃げてるだけとは思うなよ。雑魚どもが!」
俺は目の前にあった曲がり道の左側に曲がって、剣を引き抜き戦いの準備をする。剣にアンデッド系モンスターの弱点であるせいすいを一本のうち半分をかける。すると、画面が浮かび上がってきて、【剣に聖属性が付与されました】と表示される。
「自分でアレンジしたものが、そのまま現実になるなんてな。よし、目にもの見せてくれる」
アンデッド系モンスターがついに曲がってきて俺の目の前に近ずいてきた。
今がチャンス……!!
「エレクトロ・ショット」
言い忘れていたが、このスキルは自分で範囲攻撃にするか、単体攻撃にするか使う際に選べる仕様になっている。
剣をまず先頭でやってきたイエロースライムにむかって思いっきり下から斬りあげる。すると、剣が黄色い光を発射させて強烈な電撃攻撃がイエロースライムから敵全体へと伝わっていく。
みるみる敵のHPは減っていく。なんと、レベル差があるからだろうか半分も削った。
「しょ、初級スキルなのにこんなに削るのかよ……。やべぇな、レベリングは最初のうちにしておくべきだったな」
こうして、襲ってきた10体のアンデッド系モンスター全部を倒し尽くした。それと同時に付与されていた聖属性の恩恵も消える。
「これでレベルも1上がって14か。まずまずだな」
ダンジョン探索はこれを続けていくうちに、1時間経過していた。その間にレベル14から17まで上がる。ダンジョン内のモンスターには結構、経験値が周辺のフィールドにいるやつらよりも豊富らしい。
そして、ついにこのダンジョンのボス部屋へと辿り着いたのだった――。
その頃、現実世界では――
――――――――――――――――――――
本藤社長を殺した何者かは、CrisisWorld制作会社の社員でもあった。なのでおおよそのことは把握している。
「よし、とりあえず第一ミッションクリアだ。第二ミッションはええと……」
彼は上位幹部のもの達より送られてきたメールを確認している。彼の正体は、テロ組織である【スナイパーアイランド】の一員だ。その中のメンツは主に外人が多く、日本を恨んでいる人達が大半だ。時には国が違ったりするので、言語翻訳者がいないためなに言ってるのかわからなくなることも。
「どれどれ。CrisisWorldというゲームの乗っ取りか……。そして乗っ取ったあとは、そのゲームをしている者たちを閉じ込めると。閉じ込め……な!?」
俺は驚いた。閉じ込めて一体なにをするつもりなのだろうかと。ログアウトをさせないつもりなのだろうか?しかし、やってる時間は人それぞれだから全員を捕らえるのは難しいだろう。だが、第二ミッションである乗っ取りをする方法を先に考えなくてはならない。
俺はかれこれ考え、ようやく実行に移した。そしてついに、CrisisWorldの乗っ取りに成功する。
「あいつらをここに呼んで、いよいよ大型ミッションのスタートだ」
スタートの部分をかっこよく英語で言って、俺は気持ちよく寝れた。
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