第552話 問題ございますでしょうか。

 俺にくっつくような形でベッドに横になったまま、アイが言った。


「ユーマ様に報告がございます」

「ああ、うん」


 俺が起き上がろうとすると、アイが抵抗した。体を抑え込むようにしがみついている。


「……このままで?」

「はい、このままで」

「……」

「問題ございますでしょうか」

「……特にないね。じゃあ、報告してくれ」

「はい」


 アイの魔力補充と俺の情報整理をいっぺんにこなせると思えば効率的だ。


「帝国軍の偵察及び擾乱行動が停止しました」

「ああ」


 ウェントリアスもそんなこと言ってたな。


「帝国の諸問題はユーマ様が解決したという認識でよろしいでしょうか?」

「大体オーケーだ。ただ、まだ完全にケリはついてないというか、事後処理があるというか」

「はい。あとで詳細をお聞かせください」

「うん」

宿ホテルの運営に関しては順調です。設備面と仕入れに若干の課題があります」


 設備と仕入れか。


「設備面は昇降機についてです」


 エレベーターか……。

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