第414話 思考の嵐(2)

 脳内での検討は続く。

 砲があればいいが、他の戦術としては――


「やっぱり散兵だな」


 兵を固めた密集陣形はどうあっても銃兵の的にしかならない。

 よって散兵戦術をとるしかない。


 ないのだが、指揮官の練度が問題になってくる。何せ異世界このせかいには通信機器はないのだ。適切な戦況判断を下せる有能な指揮官が必要になってくる。それも数多く。


「……高練度の指揮官」


 部隊を小分けにして布陣させれば銃の脅威をある程度低減できるのだが。


「居ないだろうなあ」


 居ないから部隊をまとめて運用しているのだろうし、今まで散兵戦術を取る必要性をおそらく感じたことはなかった可能性はある。会戦主義。軍を並べて激突。人命をなんだと思ってるんだ。

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