第413話 思考の嵐


 ――翌日。


 ガタガタと馬車が街道を往く。俺は荷台に仰向けになって空を眺めていた。空の上、視界を雲が横切っていく。

 

 行先は王都だ。二度目の道往きは一人旅である。


「……ふむ」


 道中ずっと考えているのは対帝国の戦略だった。

 つまりは銃兵相手の立ち回り。


 銃。射程。火力。隊列。


「砲兵で叩くのが最適解かー」


 銃兵は砲兵で叩くのが常道。

 射程と火力に勝る砲撃なら、と思うが――


「王国にあるかね、砲」


 あっても一門二門じゃ話にならないんだよなあ。まとまった数が要る。なければ作ってもらうしかないが、今からで間に合うか? 


「とりあえず作らせるとして」


 他の手も考える必要がある。王国側こっちが優位を取る為にできる策を。

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