第376話 実家のような安心感

「リュカよ」

「なんデス?」

「おまえ、クラリッサとなんかあったか?」


 嫌な予感しかしないが。

 そんな俺の内心に反して、リュカはめちゃくちゃいい笑顔を見せた。


「クラリッサと仲良くなったデスヨ!」


 そんなことを言う。

 リュカがぁー? クラリッサとぉー?


「……仲良く……なったの?」

「ハイデスヨ!」


 大きく頷きながら尻尾を盛大にぶんぶん振っている。喜色満面のリュカを見ているとクラリッサと仲良くなったのは実際その通りなのだろうはと思う。だが、クラリッサの方がリュカが仲良くなかったと思っているかはまた別の話だろう。

 

 単純に相性悪そうな組み合わせに思えるんだが、俺の勘違いか。


「で、クラリッサは元気か?」

「明日来ると思うデス!」

「納品に?」

「そうデス!」


 あー、じゃあその時にブルーノの紹介しとくか。

 今後のこともあるし。


「リュカ、ブルーノに馬小屋案内してきてくれ。そのあとロビーまで連れてきてもらっていいか?」

「はいデスヨ!」

「ばうっ」

「ん。シュラも一緒に頼むわ」


 あー、なんか実家に帰って来た感じするな……。

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