第351話 内政と外交に課題有り。聞きたくないそんな話。
「我が英雄はつれないね」
本当にその呼び方やめろ。いい加減訂正するのも面倒になってきたが、気に入らないものは気に入らない。
だが、そんなことよりも、だ。
「……お前のお願いなんて絶対ロクなもんじゃあないだろ」
「はっはっは。とんだご挨拶だ」
「否定しない時点でお察しだろう」
「うむ。ひとまず王位は父のままなのだがね、当然快復にはまだまだ日数がかかりそうなのだ」
待て。
「そういったわけで、私とイグナイトのふたりで正式に国政に当たることとなったわけだよ。継承云々のことはひとまず棚上げして、暫定的な措置として」
待て待て。
「流れるように話を進めるんじゃあない」
「当面の課題はふたつ」
あ、無視しやがった。
「聞けよコラ」
「ひとつは内政。ひとつは外交」
俺はうんざり顔で溜息という名の諦観を地面に落とした。
――外交、ねえ。
戦争もひとつの外交手段ではある、か。
「話だけは聞いてやる。聞くだけだ。いいな」
「流石我が英雄は聞き訳が良い。はっはっは」
はっはっは、じゃあないんだよ。いつか絶対ぶん殴ってやる。そう心に固く誓う俺なのだった。
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