第306話 襲撃リメンバー

「また妄言ですの? 何を根拠にそのようなことを仰るのです?」


 エリザヴェート、お前もつくづくワンパターンなやつだな。

 つい吹き出しそうになってしまった。

 堪え切れなかった俺は鼻で笑いつつ、


「根拠、ねえ。証拠があればいいんだな?」

死霊魔術ネクロマンシーは無しでお願いしますわね」

「そうかい」


 無しも何も「ヤツ」はらしいので死霊魔術は使えない。

 だがまあ、そんなものを使うまでもなく、全部とっくに終わってる。


「王都への道中の襲撃の後のことを覚えているか? あの時、俺が何をしたか、覚えているか?」

「はい?」


 エリザヴェートは覚えていないかもしれないが、


「野盗を一蹴し、散り散りに逃げる連中に俺は何をしていた?」


 流石にノヴァは覚えていたらしい。


「――骸骨兵スケルトンウォリアーを追手として差し向けておりました」

「正解だ」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る