第121話 問題解決を図るより、新しい機会を創造せよ

 砂糖はクラリッサに依頼したから、あとはベリー系なり柑橘系の果物の確保をしたい。貧乏人根性で安く済ませたいと思ってしまう。となると採取か。


「リュカに森に入ってもらって自生してる果実を採ってきてもらうことは可能かね」

「はい、ユーマ様。可能かと思われます。しかしながら」

「しかし?」

「リュカをそちらに回すと、馬車の御者の手が足りません。骸骨兵スケルトンウォリアーでよろしければ候補はおりますが」

「うーん、駄目だな」


 裏方ならともかく目立つところに骸骨兵を配置するのはマズいだろ。


「御者は俺かナターシャかアイがやるとかは?」

「その場合、フロントスタッフが手薄になります。今現在も手薄ですが」

「ぬう」

「アイは問題ありませんが、ナターシャさんとリュカには適宜休息日を設ける必要もございます」

「せやな……」


 休日取らせないとブラック企業に一直線だ。

 大丈夫とか言ってるがアイにも休みはやりたい。


「むう、人手が足らんな」

「左様でございますね」

「果物は仕入れるかー」

「ジャムを作るのでしたら、品質にそこまで拘らなくてもよいのではないですか?」


 あー、それもそうか。


「アイは賢いな」

「はい、ユーマ様。ありがとうございます」


 さっきの果物売りのオバサンからなるべく安く仕入れるとするか。しかし金ばっかりかかるな。ホテルが稼働してるからまあなんとかなると思うけど。イチゴとか栽培できんもんかね。


 あと、人手。

 これも問題だ。


「人、雇うかぁ」

「それも一案かと」


 馬車(馬ではない)の御者とフロントスタッフか……。

 求人広告は何処に出せばいいんだ!?

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