高所恐怖症の僕が、異世界で翼を手に入れた

椿 こおり

プロローグ 宿敵

高校2年生の冬、僕は3泊4日の修学旅行で北海道にきていた。今日は2日目、スキーウェアに着替えて今からスキーをするのだ。


「フハァァ…… 」


思わずだらしのないあくびが漏れてしまう。昨日の夜は寝付くことができなかったからだ。それは決して、修学旅行が楽しみだったとか、夜遅くまで友達と喋り合っていたからではない。


原因は、修学旅行には2日目からスキーがあることだった。 別に運動神経は悪い方ではない。 ただ、スキー場には僕の宿敵がいる。

そう、あのリフトという乗り物があるのだ。


リフトは、山を楽に行き来出来る便利な乗り物。だが、地面からとても高い所にある。


そう、僕は極度の高所恐怖症なのだ


遊園地では、ジェットコースターや観覧車はもちろん、小さい子供が遊んでいるジャングルジムにさえ登ることができないのだ。


でも、スキー場では6人1組の班で行動するため、強制的にリフトに乗ることになるのだ。


だか、時間は止まることは決してない。その時は確実に迫っていた。

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高所恐怖症の僕が、異世界で翼を手に入れた 椿 こおり @10090806

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