第3話 手紙
ゴールデンウィークの始まりの日の朝、突然僕の携帯が鳴る。電話のようだった。
電話の名前の部分には
「はい、吉田です」
「おはよう、枡谷だが今いいか?」
「はい、大丈夫ですけど」
「実はお前宛に手紙が届いていてよ。悪いが時間がある時にでもうちの会社寄ってくれ」
どうやら枡谷の会社に僕宛の手紙が届いていたようだった。時々僕宛に枡谷のところに手紙が届くことがあった。それは
僕は大学に通いながら、
僕は枡谷との電話を終え、大学に行く準備をして家を出る。
***
僕はタクシーに乗りながら目的地に着くまでの間に原稿を書き進める。次の新作の締め切りまでまだ時間はあり、少しずつ進んでいる。僕は書いている間は集中しており、それは周りの音や物が何も聞こえず、何も目に入らないほどの集中力である。その集中力について、周りからはロボットだとよく言われる。その集中力は色盲になってからはさらに上がった気がする。
「――さん、――客さん。お客さん!」
僕の肩をゆすり、声を掛けてくる運転手さんの姿が目に入る。
どうやら目的地に着いたようだが、僕が一向に反応しないため、運転席から降りて、僕に声を掛けたようだった。
僕は運転手さんに謝り、お金を払い下りる。
僕の目の前にはとても大きなビルがある。
枡谷に言われた手紙を受け取りに、編集社にやって来た。
「おう快斗、来たか」
僕は建物の中に入り、受付で枡谷の名前を出すと中に進む許可証をもらい、枡谷の所属する部署まで行くと、枡谷がデスクで仕事をしており、枡谷のところまで進むと枡谷が迎えてくれた。
「これが今回届いたものな」
そう言って僕は枡谷から手紙を受け取り、鞄にしまう。中身は家で読むことにする。僕はいつも家で読み、それらを大切に保管している。僕達小説家は誰かに読まれるために書いており、それの感想はありがたく今後のモチベーションになる。
「そういえば、お前に会わせたい奴がいるんだけど」
ふと枡谷が僕に切り出す。枡谷が僕にこう切り出すということは仕事関係かなと予想を立てる。
「
枡谷は僕にそう伝える。どうやら枡谷の後輩らしい。今は仕事で会社に居ないということだ。
枡谷との話を終え、僕は家に帰ることにする。帰り際に新作の話が出てきたが、僕は「順調です」と伝え編集社を後にする。
帰りもタクシーを拾い乗って帰る。帰りは行きの反省を踏まえて小説は家に帰ってから書くことにする。
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