23 回想

槍を俺に向けるメイズン。


「現実を、受け入れろ!」


さっきはマナに助けられた、でも今回は

自分でなんとかする。


(キィン!)


「どこからそれを?」

メイズンは驚く。


俺の手にはいつの間にか剣が握られていた。


これはさっき東京で、コンクリートに押しつぶされながら必死に指先を動かして、

目の前のパソコンを認識し、その中のデータを捜査した結果だ。

再び槍が襲うも、弾く。


「まだそんな力が・・」

メイズンが驚いている。俺は切りかかる。

この動き、素早く動ける。そして


(ザク)

と、メイズンの腕を斬る。


「な!?」

怯んでいる。


更に一撃、そして追い打ち。

どんどん攻撃が当たる。

そして胸への一撃。メイズンは吹き飛ぶ。


「よし」

俺はとどめを刺す。


―――これで終わりになるはずだった。

何もかもが前に進む、はずだった。


メイズンの眼前で、俺の剣は動きを止める。


「な・・なんだ?」


倒れ込んでいたメイズンは、ゆっくりと起き上がる。


「クク。」

不気味な笑みを浮かべながら。


「貴様の敵は、なんだ?」

起き上がるメイズン。


動けない!何故だ?


「言わずもがな、敵は(現実)だ」

メイズンは近寄ってくる。


「そんな相手に、勝てると思うか?」

再び槍を構える。


「起こったことは変えられんのだ。」


そうか、東京の俺の現実。

コンクリートに潰れさたという現実。

それに負けている、のか。


それじゃあ・・


「お前は終わりだ」


メイズンは槍を振りかぶり。そして放った。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る