20・・追跡


朧げな東京の景色が目に入りながら、樹を上へ登る。


やがて、奴の姿を捉える。マナを奪い去った。


俺は追う。

奴の狙いは恐らく。


manaの破壊。


過去、未来、現在。

いずれも、この先にある。

ここは、俺の居るべき地。

ここは始りの地。


世界の始まりであり。

そして、終わらすべきところ。


―――やがて上る樹が終わり、

陸地に着くと、トンネルになっている。

その奥に進む。


すると、奥には、

枯れた草花が茂り、壁一面を包む広い場所。

さらに、鋼鉄の巨大な扉。その前に立っているのは、

国王メイズン。


 手には赤黒い槍と、

そして、マナが抱かれている。


「マナ!」

俺は呼ぶ。目を閉じて項垂れている。


「追ってきたか、鍵!」

そう答える、メイズン国王。


「どうしてあんたが?」

メイズンは笑みながら。


「この扉を開く鍵よ!」

俺に向かって言う。


鍵?

この扉は東京へと繋がっているようだ。


「行ってどうするんだよ?」


「お前に知る必要はない!」

俺に槍を放つ。

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