7・・温もり

樹から手を離す。


俺は今触れた感触を思い起こし、

驚いて彼女と目を合わせる、


「どうして、温かいんだ?」

と問いかける。


 すると彼女は樹から離れて振り向く。

そして

「この樹は闘ってるの」

と答える。


(闘ってる?)

どういうことだろう?

意味が解らなかった。

彼女を見つめながら、考える。


その様子を見て少女は言う。


「あなたも闘ってる」

と。


「?」

僕は驚いた、まだ自分の事は何も話してはいない。

それなのに、何かを悟られているかのように感じた。


「君は一体?」

と問う。


彼女は後ろ手に組み

「マナ」

と答えた。

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