第7話 夢の中の少年

此処は何処だろうか?

ふと周りを見る、

周りには沢山の子供達が遊んでいて…

保育園だろうか?

俺は……一人ぼっちか…まさか俺はこの頃からボッチだったのか?


まぁ、粗方子供の頃の夢だろう…

そんな事を考えていると、一人の幼女が近づいて来て俺に話し掛けてきた、

「ねぇ、きみはなんで一人ぼっちなの?」


すると、

「わからない……」

俺は考えてもいないのに言葉を発していた。

すると幼女は

「じゃあ、わたしとお友だちになろうよ!」

そう言った。


「きみのお名まえは?」

幼女は俺にそう聞いてきた、やはり俺は考えてもいないのに喋り出す。

「そうた…いずみそうた…君は?」


「そうね…わたしの名まえは………………


すると、名前を呼ばれた様な気がした。

「うわっ!」

ベットから飛び起きる、やはり夢だったか…


「奏太…もう六時半よ、朝ごはん作ったから食べなさい」

母に起こされる。


朝食を済ませ、急いで学校へ行く準備をして、

「行ってきます」

そう言って家を後にする。


今朝の夢は何だったのだろうか…

そもそも、あれが本当に過去の出来事だったのだろうか?

俺は記憶力が悪く幼い頃の自分を全く覚えていないのだ。


只、幼い頃に仲の良かったはずの両親が急に離婚し、心が空っぽの様な状態になっていたことはうっすらと覚えている、

なら、今朝の夢はその頃のだったのかも知れないな……




あまり気持ちの良くない朝を迎え、半ば諦めながら六時五十五分にエントランスに向かう。

やはり彼女はもう既にその場にいた…

「おはようございます」


「えぇ、おはよう」

彼女と挨拶を交わし学校へと歩き出す。


「…………」

一瞬の沈黙の後、彼女が喋り出す。

「それにしても、既読無視は酷いんじゃないかしら」


「何の事ですか?」

すっとぼけるのが無難だろうか、

そんな嘘に意味がない事は知っているのに…


「何すっとぼけてんのよ!」

彼女はそう言う。

ほら、やっぱり意味無かった。

すると、彼女は続けてこう言う

「そんなに私にからかわれるの嫌だった?」

彼女はニヤついている。


「そんなことないですよ」

嫌と言うか単に苛立っただけだ、

まぁ、嫌だったと言えば嫌だったが絶対に認めたくない、絶対にだ。


「何よ、面白くない…」

いや、其処に面白さを求められたく無いのだが…

「そりゃ、僕ですから、面白いわけ無いですよ」


「そう言うところも面白くない…………嫌いじゃないけど」


おっと、褒められたのか?

……いや、バカにされただけか。


そうこうしていると、あっという間に学校に着いた。


「じゃあ、また放課後に…」

彼女はそう言うと、二年生の昇降口へと向かって行ったのだった。





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