第4話朝は珈琲、夜はココア
翌日
いつも通り五時半きっかりに目を覚ますと、
洗濯機に洗濯物を詰め込み、スイッチを押す。
その間に軽い朝食を作り、
学校に行く準備をしていると、
洗濯機がピピピッと鳴る、洗濯が終わったようだ。
ベランダへと赴き洗濯物を干していると
「おはよ~」
母が起きてきたようだ。
「朝飯ならテーブルの上にあるぞー」
「へーい」
そう言うと母が珈琲を淹れ、椅子に座る
慌てて俺も椅子に座る。
そして二人息を揃えて
「いただきます」
朝飯を食べ終わると母はそそくさと支度をし
扉の前に立ちこう言い放つ
「それでは母はお国のために馬車馬のように働いて参ります!」
「行ってらっしゃいなー」
「行ってきます」
と、言うと母は家を後にした。
ここで俺は昨晩の約束を思い出す。
「まてよ、今何時だ?」
リビングの時計は六時五十分を指していた。
あと十分も有るが早めに行くに越したことはないだろう、
そう思い早めに家を出る
待ち合わせ時間の五分前には着いたのだろうか
だが、その場には既に彼女の姿があった。
一体何時から待っていたのだろうか?
そんなことを知っても意味はないのだが…
「おはようございます、先輩、もう来てたんですね」
すると彼女は眠たそうにこう言う
「えぇ、おはよう」
学校へと向かう途中、なぜか周りからの視線を強く感じる、
普段回りから全く意識…いや認識すらされない俺からすれば新鮮な感覚だが、
あまり嬉しくはないものだ。
校門を通ると彼女は
「ありがとう、放課後は校門で待ってるわ」
そう言うと二年生の昇降口へと歩いて行った
俺も一年生の昇降口へと向かうと、
後方から聞き慣れた声が聞こえる
「おーい、奏太~」
金髪で両耳にピアスを二個ずつ付けていて
いかにもと言うほどのチャラいヤンキーが後ろから迫ってくる。
「おはよう」
そう言うと
「よう、お前なんで斎条美優と一緒に登校してんだよ!」
何でだと聞かれても、なんと答えて良いか全く解らないのだが。
というか、なぜお前は入学二日目で一学年上の先輩のフルネームを知っているんだ
「別になんでもないよ、ただ家が近いだけだよ…と言うかお前は何で入学二日目で一学年上の先輩の名前を知ってるんだ?」
そう言うと金髪ヤンキーは俺の胸ぐらを掴みながら
「何でだ!何で、どうしてだよょょぉぉぉ!」
と、泣き叫んでいる。
すると、その後方から黒髪を二つの三つ編みにまとめ丸眼鏡を掛けた少女が駆けつけて、
「うるさい!このクソヲタク!」
と、鞄で金髪ヤンキーの頭を叩く
「痛いわ!このクソ眼鏡!」
と、金髪ヤンキーが言うが無視して
「おはよう、朝からこのバカが迷惑かけちゃってごめんね」
と挨拶する
「おはよう、別に龍がこうなるのは慣れてるから」
俺が挨拶すると金髪ヤンキーが
「二人とも無視するなよ~」
と、小さくなっている。
この金髪ヤンキーは赤塚龍之介
見た目こそチャラいヤンキーだが中身は重度のヲタクでその上成績は中学時代、常に学年十位以内をキープするほど頭がいいのだ。
そして、もう一人の少女は百瀬理沙
見た目通りの真面目な子だが実は龍之介より成績が悪い
この二人は幼稚園の頃からの付き合いらしいが俺と知り合ったのは小学校卒業間際の頃だ。
そんなこんなで、二人と共に教室に向かうのであった。
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