151話

おはようございます、皆さん。おはよう、世界!! 俺は昨日…


“私も…ふーくんのこと…好き…です。”


わぁー、わぁー!! えー、取り乱しました…。落ち着こう。うん。昨日、ずっと…ずーっと好きだったさくらと。お、お付き合いをすることになりました…! 嬉しい、嬉しすぎる! 朝どんな顔して会えばいいんだ! …夢じゃないよな? 作者さん、夢オチ好きみたいだから(そんなことないです。by作者)夢でした〜、って終わらせられたり…。いや、俺は昨日さくらに告白した…そして付き合ったんだ!


「おはよう、史人〜。あら、どうしたの? 嬉しそうな顔して〜」


「え、あ。おはよう、母さん」

俺、どんな顔してたんだ…。


「今日楽しいことでもあるの〜?」


「いや、特には」

むしろ、昨日楽しいことがあった…かな。


「そう、これ。ありがとね。美味しかったわ〜。あ、まだあるから全部食べたわけじゃないわよ!」

おぉ、水族館で買ったお菓子か。水族館…さくら…って俺の頭はお花畑か!!


「史人、大丈夫? 朝から百面相ね。まぁ、ご飯食べちゃいなさーい」


「おぅ」

家ですらこんな言われようで、俺は1日やり切れるのか…?




「お、おはよう。ふーくん!」


「おぅ、おはよ」


「ちょっと遅れちゃってごめんね」


「いっつも余裕持ってついてるから大丈夫だろ〜。いざとなったらまた走ろうぜ」


「うふふ、そうだね。ありがと〜」

…かわいい。うわぁ、か…彼女だよ。おいおい、俺彼女と登校してるよ? 何これ幸せじゃん。いつもよりかわいく見える…俺鼻血とか出てないよな?




「おっはよー、史人ー! 昨日は楽しかったなー!」


「おぅ、おはよ」


「美咲さん、綺麗だっただろ?」


「おぅ、そうだな」


「だよな〜! あ、たく。おはよー! 昨日さぁ…」

智は朝から元気だなぁ。…さくらと、付き合ったって言うべきか…? 応援してくれてたしな、ずっと。え、なんて言えばいいんだ? めっちゃ恥ずかしいな。“俺告白して、付き合うことになった”か? “さくらと付き合うことになりましたー!”これは俺のキャラじゃないな…。




「史人ー、おい。史人ー!」


「お、なに」


「何って飯だろ〜、お前今日めっちゃぼーっとしてんなぁ」


「あ、うん。もう昼か」

俺…浮かれてるわ。うん、めっちゃぼーっとしてたの自分でもわかる。授業集中してねぇ…。ノートはバッチリだから復習しないとな…。


「もう、ぼーっとしちゃってぇ〜。さくらちゃんにでも見惚れてたんかい!」


「そうかもな」


「え、何。素直…。こわ」


「ん、あ。ごめん。ちゃんと聞いてなかった」


「え、え。史人、ほんと大丈夫か? 熱…はないな。うん」


「大丈夫だって、お前のおかげで正気に戻ったわ」

智、ありがとう。俺が浮かれていたと気づかせてくれて。


「なんだよ〜、告白でもしたのか〜??」

…なぜわかる。でも、このタイミングか? 今言えばスマートっぽい?


「うん」


「だよな〜、お前はチキン…。ん? …え? え、えぇぇ!?」


「うるさいぞ、智」


「あ、え。ごめん。うん、史人…。そのそんなぼーっとしてるってことはな。あのフ…フラれて傷心的な…? そ、そう言うやつだったのか? 無神経だったな、うん。悪い…悪いな」


「いや、フラれてない」


「え、え。え、どっち。それはその…どっちのやつ? お…おっけーだったのか、考えさせて〜みたいなね」


「…前者」


「え、えー!! うわ、史人…よかった。よかったなぁ!!」


「智…うるさい」


「あ、わりぃ。めっちゃ嬉しくて。そうか〜、おめでとう。今度お祝いだな。うん、お祝いだ」


「ありがと。でも、あんま広めないでほしい」

恥ずかしいしな。うまく喋れなくなるかも。


「お、おぅ。めっちゃでかい声だしてたけど。これからは気をつける!」


“やっと付き合ったか”(生徒Aさんの心の声)


“え、まだ付き合ってなかったんだ。ラブラブなのに〜”(生徒Bさんの心の声)


“わぁー、やっぱりか。俺さくらさん狙ってたのになぁ”(生徒Cさんの心の声)


「よろしく」


“うん、気づいてないフリをしよう”(クラスメイトたちの心の声)


放課後…。放課後デートとかは浮かれすぎかなー。どうなんだろ、さくらはそんな意識してなさそうだったよなぁ。俺、浮かれすぎか?

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