150話 水族館編

よし、今だ。今、告白する…。

「さくら…」


「あ。言いたくなかったら無理に言わなくてもいいよ?」

おっと、タイミング。諦めるな、俺!


「うん、わかった。でも…」


「ふーくんが教えてくれる時に言ってくれたらいいからね!」

うーん、言おうとしてるんだぞ?


「さくら、あのな」


「ふーくん!」


「ん?」


「その前に私が話してもいい?」

え。何…なんでなんで!? 俺が告白しようとしてるのバレてる!? 告白する前にフラれちゃう感じ!? いや、俺の好きな人を聞く前に逆告白…。いやいやいや、期待したら痛い目見るよな。どっちにしろ、俺から言わないと後悔する!!


「さくら、俺の話聞いてくれる? 俺が先に話したい」


「…うん、わかった」

ふぅー。ほんとに告白するんだよな。頑張れ、俺。頑張れ、俺!!


「さくら」


「…」


「俺は…さくらのことが好きだ。ずっと好きだった」


「…え。え、え?」

驚いてるな…気づいてなかったのか?


「もし…よかったら俺の…。俺の彼女になってください」

勢いで手出しちゃったよ。うわぁ、前見れない。え、俺告白してるよ。マジか、マジかぁ。さくら黙ってんなぁ…。フラれた、俺フラれてる?


「う…ひっく。ひっく」

え。泣いて…


「え、さくら!? だ、大丈夫か。いや、ごめ…ごめん。急だったな。うん、急だった。ご、ごめんな。す、座るか。あそこ公園あるし、うん。ベンチ行こうな!」

えぇぇ! 泣かせちゃったよ、俺! そんな俺に告白されるの嫌…なのか?


「ち、違う…」


「ん? なに?」


「う、嬉しくて…」


「…え?」

う、嬉しいって言ったか? え、え!


「え、嬉し泣き…?」

こくりとうなずくさくら。…めっちゃかわいい。って、そうじゃなくて。嬉しいって嬉しいって、それはその…あの。さくらも…さくらもって言うことで、さくらも…ってことなのか!?


「ごめ…ひっく。泣いちゃった。ちょ、ちょっとだけ…待ってくれる?」


「おぅ、待つよ。じゃ、一回座るか」



「落ち着いたか?」

一旦泣き止んださくら。嬉し泣きと聞いて期待を隠せない俺。


「うん、ありがと。ふーくん、あのね」

おぉぉ、話し始めた…! なんだ、どう来る!


「私も…ふーくんのこと…好き…です。うぅー、これ恥ずかしいね〜!!」

か、か…かわいい!!! え、え。さくら今好きって、俺のこと好きって言ったよ!?


「ほ、ほんと? 俺めっちゃ嬉しいんだけど」


「ばか。嘘つかないよ、こんなこと…」

おぉぉ、かわいさがかわいさが…語彙力がなくなります!


「ふーくん」


「ん? なに?」


「私、ふーくんの彼女になった?」


「うん、なった。俺は…さくらの彼氏、だな。あはは、これ恥ずかしいな〜!」


「えへへ、嬉しい。よろしくお願いします〜」


「おぅ、こちらこそ。改めてよろしくお願いします!」


皆さん。俺、相澤史人はかわいくて大好きな幼馴染さくらと晴れて恋人同士になりました!

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