139話 〜水族館編〜

「楽しみだね〜、水族館も美咲さんも!」


「おぅ、そうだな。あ、さくら。後輩くんの彼女とも話してやれよ?」


「うふふ、あったりまえでしょ〜!」


「ちょ、声でかい」


「あ、ごめんごめん」

水族館現地集合となったので、さくらと電車で水族館に向かっています。え? 智はって? …彼は俺に気を使ってか、美咲さんと2人で行きたいからか別車両に乗ってます。結局駅で会ってバレると思ったけどいなかったな。あ、別の駅から乗ったのか?


「あ、あの」

お、さくら立ってる? まだ着いてないけど…あ。


「ここどうぞ!」

おばあちゃんが…。気づかなかった! おばあちゃんにも申し訳ないけど、ここでさくらに譲らせたのかっこわりぃ!


「あらぁ、ありがとうねぇ。お言葉に甘えさせてもらいます」


「いえいえ! どうぞ〜」

さくらに座ってもらおう。


「さくら、こっち座りな?」


「いいよ、ふーくん座ってて〜」


「さくら立たせてるの嫌だ」


「えー、私は大丈夫だけど…」


「うふふふふ」

お、隣のおばあちゃん笑ってる…。


「仲良しなのねぇ。お嬢さん、座ったらどうかしらね? 男の子には悪いけどねぇ」


「いえ、俺は…むしろ立ってたいです!」

あ、意味わからんこと言っちゃった。


「うふふ、じゃあ座ろうかな。ありがと、ふーくん」


「おぅ」


「お2人はどちらに?」


「水族館に行くんです!」


「あら、素敵ね」

さくら…絶対付き合ってると思われてるぞ?


「おばあちゃんは?」

さくら…お年寄り皆をおばあちゃんって呼ぶのやめとけ。いつか怒られるぞ?


「私はね、次の駅に行くのよ。うふふ、お買い物」

かわいらしい方だなぁ。


「お買い物、いいですね〜。楽しんで下さいね」


「えぇ、あらもう着きそうね。ごめんなさいね、すぐ着くのに譲ってもらって」


「いえいえ!」

あ、俺の方も見てるな。


「いえ、電車揺れて危ないですから。俺立ってるの好きなんで大丈夫ですよ」

お、もうすぐ駅だな。


「ありがとうねぇ、じゃあ失礼しますねぇ。楽しんで」


「はい、ありがとうございます」


「ありがとうございます」


まだ着いてないけど、なんかもう楽しい! 今日は、今日こそは…さくらに告白できる! …かもしれない!!

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