138話 【智の恋】

やぁ、智だ。バイトが終わったとこさ、疲れたぜ。美咲さんにトリプルデートの話しておかないとなので、帰りにでも伝えますよ。あ、後輩にはメールでオーケーもらってるんでご安心を!


「美咲さん、お疲れ様〜!」


「あ、智くんお疲れ〜。今日ちょっと人多かったねー」


「だね、疲れた」


「うふふ。しっかりしろ、智」

おぉ、ふざけてだけど智って呼ばれた。ちょっときゅんとしたわ〜。いつもと違う呼び方とかされると“おっ”ってなるよな〜。


「はーい。今日も頑張りましたって」


「うふふ、偉い偉い」

なんか撫でられてる…。


「めっちゃ子供扱い!?」


「はいはい、そこのお2人さん。イチャイチャ見せつけてないで早く帰れよー」

あ、店長。俺、撫でられてバカにされてたのでは!? …あ、カップルがどっちか撫でて笑ってるってイチャついてるように見えるな。なるほど。


「すみませーん、帰りまーす!」


「えへへ、すみません。お疲れ様でした〜」


「おぅ、お疲れ。お幸せにな」

店長、やっぱカッコいいっす!



「美咲さん、この後予定ある?」


「ごめんね〜、今日は帰らなきゃ」


「そっか。じゃあ、今度の日曜のデートの話なんだけど」


「あ、お友達とのやつ?」


「そう! 午前集合の水族館でどうかなって」


「いいね〜、楽しみ!」


「じゃあ、それで決定しとく。水族館のカフェでおしゃべりタイムもあるから質問攻めとかされたらごめんね?」


「うふふ、大丈夫! なんでも答えちゃおっかな〜」


「え、まじ。俺も質問しよ」


「女子にだけー」


「ちぇー。まぁ、2人だけのときにも聞けるしー」


「そんな質問しなくても〜」


「俺は美咲さんのこともっと知りたいから」


「…ありがと」

あ、照れた。かわいい。


「美咲さんも俺のこと、もっと知ってね?」


「うふふ、うん!」


「じゃあ、そろそろバイバイかな?」


「そうね」


「じゃあ、また…」


「あ、智くん」


「ん?」

お、近いって耳元に…。


「大好きだよ」

おぉぉ! デレが強すぎて…かわいい!!


「お、俺も。俺も大好きっす!」


「うふふ、じゃあまたね。デート楽しみにしてる!」


「はい! 俺も! またね〜」


美咲さん、めっちゃ好きだー!!

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