129話

「疲れたー」

「だなぁ」

「ありがとな、助かったー!」

今日は美術の先生の資料移動のお手伝いをしました。

「いえ、いつもたくがお世話になってるので!」

「お、頼もしい! 実質お世話になってるのは先生の方だけどな!」

ゆみさん…頼もしいっす。俺は疲れました。隣のさくらもクタクタそうです。

「…先生、これどこっすかー。って、ちょっと俺働いてんのに終わってんの何で!?」

あ、智。…忘れてた。(疲れ過ぎて)

「あぁ、ごめんねぇ! こっちにお願いするよ!」

「はーい、よいしょ…」

「智、お疲れー」

「おぅ、って絶対史人も俺忘れてただろ〜」

「…あはは」

「笑ってごまかすなよ〜、めっちゃ重かったんだぞ!」

「いやー、すまないねぇ! ほら、これお菓子。ありがとうなー」

…キャンディ。キャンディで大仕事。

「わぁ! 先生ありがとうございます!」

「いちごだ〜、美味しそう。ありがとうございます」

…おぉ、女子陣上手く丸め込まれてる。

「ありがとうございます」

まぁ、手伝い…ボランティアのつもりがキャンディもらえたって思えばいいのか。

「おーい、先生。こんなに働いてキャンディかよー!」

おぉ、智同感だ。

「ハッハッハー! 人生は甘くないのさ☆ じゃあ仕事するからほんとにありがとね!」

…この人絶対体育教師だろ。偏見か。

「いえー、失礼します」

ゆみさん大人だな〜、お辞儀しとこう。

「今度何か奢ってくださーい!」

智…やめとけって。

「ハッハッハ! 今度なー」

「よっしゃー、じゃあさようなら〜」

…たぶん一生来ない“今度”だぞ?

「先生、さようなら〜!」

「おぅ、じゃあまたなー!」

教室戻ってった、ってかあの人声でけぇな。


「あー、疲れたー! 俺これからバイトなんだけどー」

「え、大変! たくと友達ってだけで何かごめんねー」

「いや、ゆみちゃんが謝ることじゃないって〜! まぁ、疲れたけどなんだかんだ楽しかったしー!」

「それちょっとわかるー!」

「俺も思ったわー、資料ちょっと見せてもらったしな。あーいうの見てたくは描いてるんだもんなぁ、さすが美術部」

「見て参考にしたら描けるのが天才だよなー!」

「そうだよね、ゆみりん彼氏は天才だね〜」

「うふふ、何かテレるね」

ゆみさんテレてるの珍しいなー。たくいいとこ見逃してるぞー。

「お、そろそろ俺バイト先向かうわー!」

「おぅ、お疲れさん」

「智くん頑張ってねー!」

「今日ありがとね」

「おぅ、お疲れっす! 頑張るよー、また明日な〜!!」

「私たくの絵見に行くね〜、2人は帰る?」

「さくら、どうする?」

「帰ろうかな〜」

「じゃあ、俺も帰るわ」

「了解、また明日ねー!」

「うん! ゆみりんバイバーイ!」

「じゃあ、また」


皆で疲れたー! って何かやるってのも楽しいな。



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