110話

お、山本さんが入り口でキョロキョロしてる。さくらかな?

「山本さん、さくらに用事?」

「あ、相澤くん。そうなんですけど、いらっしゃらないですかね…?」

「うん、さっき職員室行くって言ってたよ。でも、もうすぐ来るんじゃないかな?」

入り口で話してるの邪魔か…一旦廊下出よう。

「そうですか、うーん。待ってましょうかね」

「なんか提出しに行ったくらいだろうからすぐ戻って来ると思うよ」

「そうなんですね。あ、そういえば。おばあちゃんがまた皆に来てほしいと言っていたので男性陣に確認をお願いしたいです。何度もすみません、おばあちゃん楽しそうなので来ていただきたくて」

お〜、山本さんはおばあちゃん思いのいい人だな〜!

「おぅ、確認しとくわ。そうだ、あの店の饅頭新作出たよな〜。あれ持ってこうかな」

「あ、美味しいですよね。おばあちゃんも美味しいって食べてたので喜ぶと思います!」

「そっか〜、じゃあそれにしよー!」

あの店の饅頭の話で盛り上がれる人が出て来るとは思わなかったな〜。

「あ、さくらさん」

あれ? 気づかなかった! さくら戻ってきてたのか〜。

「お、さくらお疲れ〜。山本さんさくらに用事だって」

「…あ! うん! 花ちゃん待たせちゃってごめんね〜! どうしたの〜!」

一瞬元気がなかった…? 先生にでも怒られたか?

「相澤くんにも伝えたのですが、また皆で私の家に遊びに来ませんか? おばあちゃんも来てほしいって言ってて」

「行くー! ゆみりんにも伝えなきゃね〜」

「俺は智とたくに伝えとく」

「よろしくお願いします」

「わーい、楽しみ〜」

「あ、あとさくらさん…」

俺はそろそろ教室戻るか〜。

「じゃ、またね」

「あ、はい。また」


また皆で遊べるのか〜。今度は何しようかな。カードゲームでも持っていくか〜!

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