109話

よーし、今日もさくらと登校…って思っていたのですが、さくらが来ませんね。いつもここで待ってたら来るんですけど…。うん、遅いな。連絡は…ないな。風邪でも引いたのか? んー、さくらの家行って学校行こうかな。まぁいつも余裕もって集合してるし、まだ全然大丈夫だけどな〜。もう少し待ったらさくらの家行くか。


うーん。さくら、大丈夫かな〜。

\ピコン/

お、さくらからだ。風邪か〜?

“ふーくん、ごめん、! 寝坊した!、! 先に学校行っってて!”

おぉ、語彙してる…。寝坊か。んー、めっちゃ焦ってるし。ゆっくり行ってたら追いついて来るか?

“おぅ、先行く。ゆっくり行くから追いつけ。笑 遅刻すんなよ〜、返信不要。”

よし、ゆっくり行くか〜。今は、うん。まだゆっくり行っても遅刻しないな!


あ、ここ花咲いてる。前からか? ゆっくり行くと発見もあっていいな。でも、やっぱさくらがいないのは寂しいもんだな。

「お兄さん」

ん? 誰だ?

「お兄さん、はいこれ」

お、小学生。あ! 俺のハンカチだ!

「おぉー! ありがとなー!」

「ちゃんとしまってないとダメだよ」

小学生に…怒られた。

「そ、そうだな。ごめんな」

「わかればいいんだよ。お兄さん気をつけてね」

「お、おぅ! えーっと、君もね」

「うん、じゃあね」

「おぅ!」

あー、あっちの小学校の子か。あんまり会わないよなー。ぼーっとしてて、ハンカチ落とすとか少女漫画展開求めてるみたいだな。


「ふーくん!!!」

あ、さくら!

「おぉ、お疲れ」

「ふーくん…ハァハァ。ゆっくり行ってくれるって見たから…ハァ。急いできた…!」

「おぉ、逆にごめん」

「遅刻しないで…ハァ、済んだ!」

「あはは、そうだな。いつも余裕もって集まっててよかったな」

「うん、でも時間ギリギリになってきたから急ごう!」

「おぅ、でも学校はすぐそこだ!」

「え、私めっちゃ走ったね…!」

「あはは! 今気づいたのか、お疲れ! ほら、自販機で何か奢ってやるから行くぞ」

「いいの! 迷惑かけたから私が奢る〜」

「じゃあ、奢り合うか。ほら行くぞ」

「うふふ、うん! 行く〜!」


俺はカフェオレでも買おうかな〜。

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