108話 【智の恋】
どうも、智です。え? テンションが低いって…? すみません、大風邪を引きまして…。気持ち的にはそんなにテンション低くはないですよ。はい。一旦寝ます…。
「智、起きれる?」
あ、母ちゃんの声がしますね。あれ、仕事じゃ…?
「んー?」
「仕事ちょっと抜けてきたんだけど大丈夫? おかゆ作っておいたから食べられたら食べて。あと、飲み物ここに置くね。母さん今日遅くまで仕事だから帰って来られないけど、何かあったら連絡して。戻って来るようにするからね。あ、薬はこれね」
母ちゃん…優しいなぁ。
「ありがと、朝より良くなった。今日はバイト休むかな」
「そう、バイトはバイト先にも迷惑だから休みなさい! じゃあ母さん行くね」
「ありがと、頑張って」
「はーい、いってきます」
いや〜、いい母ちゃんを持ったわ。んー、バイト連絡しとこう。
「もしもし、店長ですか?」
「おー、智くん。どうした…って声ガサガサ、風邪でも引いたかー?」
「そうなんですー…。すみません、今日のシフト休みにできますかね」
「あー、じゃあ入っとくから大丈夫。病人働かせるような店長じゃないから安心んしろ。ゆっくり休めよ〜」
「はい、ありがとうございます」
店長もいい人とか何。俺恵まれちゃってる感じ? 朝史人に連絡したときも優しかったし。俺の周りはいい人ばっかだな〜。よーし、おかゆ食って薬飲んだら寝るかな。
\ピコン/
あー、もう15時か。誰かから連絡…史人かな。来なくていいって言ったのに…
“智くん、大丈夫? 私お見舞いに行きたいんだけど、お家教えてもらえるかな?”
え…! 先輩!? 何で、あ。店長か? まだちゃんと治ってないからカッコ悪いとこ見せたくないなぁ。先輩に移しても悪いし…。
“ありがとう! 大丈夫だし、移すの悪いから気持ちだけもらっとく!”
送信っと。いや〜、タメ口も慣れたな。飲み物飲も〜。
\ピコン/
“大丈夫ならよかった! でも、お見舞い行きたいから住所教えてね!!”
おぉ、俺の彼女ったら強引☆ んー、夜飯も困ってるし。ここは甘えさせてもらうか!
“ありがと、住所送る。【住所】あと、さっきはカッコつけたけど、ちょっとまだ本調子じゃないからよろしく〜。出来たら夜飯買ってきてほしい…!”
送信〜。あー、先輩に会えるとか最高だ。ってか、俺ん家初めて来るのにいいのか…!? もう片付けとか服とか余裕ないし…大丈夫でしょう! あ、先輩のこと名前呼び…今日から実行してみるかな〜。ちょっと頭痛いけど、先輩来るまでは起きてないとな。
\ピコン/
“了解! 少し時間かかるから寝てて! 着く頃に連絡して、着いたらピンポン押すからそれまで寝ててね〜”
先輩…いや、美咲さんはどこまで俺のことわかってんだ…。よし、さすがにピンポンでは起きれるからちょっと寝よう。
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