102話 【智の恋】

どうも、イケメン新人くんの登場に焦っている智です。いや、先輩が好きなのは俺だ…。絶対渡さないからな!!


「お疲れ様です」

「お疲れ〜」

今日は新人くんと俺の2人シフトです。

「俺後ろ行ってくるから、レジお願いしていい?」

「はい、俺後ろ行きましょうか?」

「大丈夫、大丈夫。あ! 後ろの方がいい? 俺どっちでもいいよ〜」

後ろの方が大変って思ってたけど、人によるし聞いとくべきだよな…?

「あ、えっと。じゃあレジ…やります。お願いします」

「おぅ!」

何か…あいつ、えっと。弓人って誰かに似てるよなぁ。うーん、まぁいいや仕事仕事ー!


「お疲れ様です」

「お、お疲れ〜」

弓人って高身長イケメンだし、最初から先輩のこと名前呼びだからもっとチャラいやつかと思ってたわ〜。めっちゃ真面目、いいやつだわ〜! 先輩は譲らないけど!

\グゥ〜/

お、弓人腹減ってんのか。飯でも誘ってみるかな〜。

「…飯行くか?」

「…すみません、腹鳴ったの聞こえましたよね」

「あはは、聞こえた! 奢ってやらねぇけど飯いくか!」

「ふはは、奢ってくれないんですね。行きたいです」

あ、笑った。イケメンのスマイル破壊力すごいわぁ。

「ラーメンでいい?」

「はい!」


「いらっしゃーい、おぉ智!」

「こんばんは」

「なんだ、今度は友達連れて来てくれたのか!」

友達…んー、友達でいいのか?

「バイト先の後輩なんだ。で、今バイト帰り〜」

「初めまして、こんばんは」

「へい、いらっしゃい。智いなくても寄ってくれな〜」

「はい」

「俺醤油ラーメンで! あ、弓人まだ決めてないか」

「いえ、えっと…俺も醤油ラーメンで」

「醤油2つね、ちょっと待っててな〜」


「弓人くんは、彼女いるの?」

偵察重要!

「はい、年上彼女なんですけど」

なに!? もう先輩と…ってさすがに焦りすぎだな。

「へぇ、年上か〜。俺も年上の彼女いる〜」

「あ、美咲さん…ですよね」

「え! 何で知ってんの!?」

「前にお2人を見かけたことがあって。あと何か雰囲気で」

「そんなわかる?」

「はい」

「ラブラブ過ぎたか〜!」

「幸せそうで、憧れます」

「ん? 弓人くんは幸せじゃない感じ…?」

聞き方まずかったかも…!

「いえ、幸せなんですけど。お互いシャイっていうか、連絡とかも少ないですし…学校違うのであんまり会えないんですよね」

お、おぉ。後輩からの恋愛相談! 俺先輩っぽいな!

「そうなのか、大変なんだな。でも、男が行くってのもかっこいいと思うぜ。連絡とか勇気出してしてみたらいいと思うぞ!」

「…ですよね。俺頑張ります」

「そういえば、学校違うってどこで知り合ったんだ? 学年も違うし」

「家近くて、幼馴染なんです」

「おぉ、いいじゃん! ってか会いに行けよ」

「勇気が出なくて、子供の頃遊びに行ってた感覚ではとてもとても…」

「あー、俺も行けないかもな〜。俺の幼馴染に恋してる友達も前みたいには遊んでなさそうだしな〜。たまに行って慣れるといいな」

「そうですね、それも頑張ります」

「おぅ」

「はーい、お話中ごめんね。醤油2つー! 美味しいうちに食べちゃってー!」

「うまそ〜、あざす!」

「ありがとうございます」

あー、バイトの時思ったのたくだ。弓人くんたくに似てると思ったのか〜。でも、口数の少なさだけでめっちゃいい子だったわ。あ、たくが嫌ってことじゃないよ?


「まいどありー!」

\ガラガラ/

「すごく、美味しかったです。ありがとうございました」

「おぅ! また来ような〜。家どっち?」

「あっちです」

「じゃあ俺あっちだからまたな!」

「はい、ほんと色々ありがとうございました」

「おぅ! お互い頑張ろうな〜」

「では、また」

「またな〜」

いい後輩だな。彼女とうまく行くといいな〜。俺も先輩を名前で呼べるように頑張ろう!!

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