第94話

「おはよ、さくら」

今日もかわいいさくらと登校しますよー!

「おはよぉ。ふぁ〜、眠いー…」

おぉ、めっちゃ眠そう…なのかわいいな!

「めっちゃ眠そうじゃん、夜更かしした?」

「うんー、昨日動画見てたら遅くなっちゃったの」

「動画?」

さくらも遅くまで動画を見るようになったか〜、大人になったなぁ(お前は誰だ、さくらの父親か!)

「うん、猫の動画に癒されてたらたくさん見ちゃって〜」

「お、猫の動画か」

「あ、犬とかうさぎとかも見ちゃったから時間が経つの早くて〜」

「動物動画かぁ、かわいいよな」

動物の動画見てたのかー、さくららしいなぁ。かわいい、かわいすぎるぞ。さくら!

「かわいいよね〜、後でオススメ見せてあげる〜」

「おぅ、ありがと」

…さくらいつもに増してふわふわしてんなー。マジで眠そう。

「ってか、めっちゃ眠そう。大丈夫か?」

「眠い〜!」

あ、元気になった。

「目を見開いて歩く!」

さくらが目をパッチリ開けてこっちを見てきた。

「あはは! その顔やめて」

「どう? 面白い?? このまま行こ〜」

「目痛くなるからやめなって」

「そんな笑いながら言われると説得力ないよ」

いや、ごめん。その顔面白すぎるのよ。

「はは! もう、面白いからやめてください!」

「しょうがないな〜、やめてあげる!」

「ありがと」

「めっちゃ目覚めた〜、ありがとふーくん!」

「俺なんもしてないけどな」

「よーし、走って行くかぁー!」

「え、ちょっと。走んなってー」

「ふーくんも走って!」

「朝から走るのやだってー」

「ふふ、そう言いながら走ってるじゃん! あの商店の前まで走るぞー!」

「いや、割と遠いって! 俺朝から走るの無理だって〜」

「頑張れ、ふーくん!」


さっきまで眠そうにしてたさくらはいったいどこに…。結局俺も走るし、楽しいんだけどね?

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