第66話 【智の恋】

どうも、智です。カッコ悪く緊張しちゃってる俺ですが、先輩の入りたいと言った雑貨屋さんにいます。女子の多い店ってあんまり入らないし、入ると居心地悪いんですが…。か、彼女と一緒だとなんだか優越感があります!

「かわいい〜! 私このキャラクター好きなの〜。どれにしようかな、大きいのは持ち歩きづらいから〜…」

ネコ…確かにかわいい。でも、それを一生懸命選ぶ先輩はもっとかわいい!

「かわいいですね、俺買いますよー」

「え! いやいや、後輩に買わせるわけには…」

「俺、彼氏になったんですよね? プレゼント…させてくれません?」

「…ありがとう」

先輩また赤くなってる。ほんとかわいいなぁ。

「どれにします?」

「えっと…キーホルダーかわいい。あ、ネックレスかわいいー! お、高いので却下ー。ノートもいいよね、よく使うし。ピアスはあけてないし、あ、イヤーカフもある…」

このネコどんだけ商品あるんだよ!? ネックレス…おぉ、ちょっといいお値段。でも、これが1番欲しそうだったかなぁ。頑張ればいける値段…ではある。俺はこういう時のためにバイトをしてるんだし。

「先輩、ネックレスにしません?」

「え? いや〜高いし、イヤーカフにしようかな!」

「でも、欲しいもの選んでもらいたいです。初プレゼントですし、先輩に似合うと思いますよ」

「じゃあ、お願いしてもいい…?」

「はい、買ってきま…」

先輩…俺の服の袖掴んでる…?

「あの、違うの。ネックレスじゃなくて…。イヤーカフを2人でつけたい…」

…何でこんなにかわいいの!? このネコちゃん、まぁ男がつけてても変ではないな。うん。いや、変でも先輩とおそろいとか絶対つけるわ。幸せすぎる。幸せすぎるぞ、俺!

「智くん…? だめ、かな?」

「いや、あの。めっちゃ嬉しいです。そうしましょ。買ってきます!」

「えへへ、やったー! ありがとう」


綺麗で高嶺の花だと思っていた、俺の彼女はもしかしたらかわいすぎるのかもしれません。

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