第35話

「ふーくん、あのね。今日話したいことあるんだ〜」

帰り道、突然さくらが言い出した。

「なんだよ、改まって」

笑って返したけど、何!? 史人くんは怖いんですけど…?

「もうちょっと後で話すー!」

話したいことあるって言われた後、いつもの普通の会話は耳に入ってこなかった。


「ふーくん、公園寄ろうよ!」

公園…? 急だな。

「ん? いいけど」

ベンチに2人で座った。な、なんだなんだ。思い悩んでるのか…?

「あのね、ふーくん」

お、きた。

「ふーくんとずっと一緒にいて、いつも楽しくて」

え、何。どういう状況? 引越しとかじゃ…ないよな?

「私ふーくんが好きなの! 付き合って下さい!!」

え、えぇ!? まじかよ! うわ、何て言おう。俺も好きだ? ありがとう、好きだよ? 嬉し過ぎる!!



「と…ふみと…。史人! 朝だよ! 遅刻するよ!!」

「え…?」

「いつまで寝てんの! 朝ごはん置いて行くからね!」


…夢か。うん。夢か。

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