第7話

「ふーくん! パンケーキ食べよ!」

…ん? なんなの、こいつは。それはデートではないの…? 帰りにそんなとこ寄るなんて放課後デートってやつじゃないの…?

「なんでパンケーキなんだよ、女子と行ったら?」

何言ってんの、俺! そりゃ、放課後にパンケーキってちょっとハードだし、女子に囲まれた中で付き合ってもいないのにパンケーキを好きなこと食べる自信もないけど…。放課後デートのチャンスだぞ!? 逃していいのか、俺!

「ゆみりん誘ったら予定あるって言われたの〜、でもパンケーキの気分になっちゃったんだよー。ふーくんも無理そう…?」

だからその上目遣いをやめてくれ! かわいすぎるんだって!! まぁ予定はない。放課後デートと思えばうきうきではある。どうする、俺。ふわふわな女子の世界に飛び込むか…

「さくらー! 私予定大丈夫になったけど、パンケーキ行くー?」

「え! ゆみりんほんと!? やったー! ふーくん大丈夫になった〜、ありがと!」

おいおい、おいおいおい…。俺は全力で葛藤したんだぞ! ゆみりん、突然なくなる用事ってなんだ! 言ってみろ! 取り乱すな俺。楽しそうなさくらを見れて幸せだろ、俺。

「おー、よかったな。行ってこいよ、俺先帰るな!」

「うん、お騒がせしました〜。ありがと! また明日ー!」

放課後デートなんて夢見すぎたな、かわいい笑顔を見れただけで十分だろう。


…いや、放課後デートしたかったよ! ゆみりんそこ変わってくれない!?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る