第5話

「好きです! 付き合ってください!」

…モテ期ってやつですかね。目の前にいるあなたは誰ですかね…。

「ごめん、俺好きな人いるから」

「そ、そうですか。聞いていただけただけで嬉しいです! ありがとうございました」

俺は告白する勇気がないから告白できる人を尊敬するし、好きな人がいるからこそ、フるのはきつかったりする。

「ありがとう、じゃあ」

あー、傷つけずにフることができたらいいんだけどなー。

「よぉ、色男くんよ!」

あー、こいつは智。俺にだってさくら以外の友達もいますよ。

「茶化すなよ、フるのきついんだぞ」

「はー、モテる男の悩みねぇ。うぜぇぞ☆」

「…わりぃ」

「本気で謝られるのもっとやだー! イケメンうざキャラしろよ、いいやつ! 好き!」

「お、おう。ありがとう」

「うん、幸せになれ、イケメンが!」

「悪口みたいにいうなぁ、ありがとう」

智とは中学からの仲だ。唯一俺がさくらを好きだと知ってるやつでもある。

「イケメンよ。モテ期に浮かれてないで早く告れ。幸せになりたまえ」

「できたらもうしてるわ」

「ヘタレイケメン。チキンイケメン。イケメンの無駄遣い」

「どんどん褒めてそうな悪口言ってくんな」

「褒めてないぞ☆」

智はうざいけど、面白い楽しいやつです。


ヘタレ・チキン・無駄遣いイケメンやめたいわぁ。(イケメンって認めてる訳じゃないですよ…?)

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