第4話

「ふーくん! これもらった!」

…手紙? まさか、こいつ…!? ラブレターもらったのか!? さくらのかわいさに気づいてるのは俺だけだとばかり思っていたが、どこぞの男がさくらを狙っているんだ! なるべく一緒にいて他の男が寄り付かないようにと思っていたが、拘束して嫌われるのも嫌だと思って目を離していた間にこんなことになったのか? くそぅ、もっと俺の女感出しとけばよかったかな!

「ふーくん? ふーくんってば!」

「…あー、わりぃ。何ラブレターでももらったの?」

「そー! この手紙かわいいね!」

なんだと!? 乙女心を鷲掴みできるような男なのか。ハイスペックなのか! 勝ち目はないって言うのか!?

「はい、隣のクラスの子から」

…? なんで渡して…。

「ふーくんに渡してって頼まれた! モテるねぇ〜! 私も恋したいのにー! 先越されちゃう感じ? ずるいなぁ」

…。こいつがもらったんじゃないことは嬉しいが、ここまで恋愛対象に入ってないことを示されるとさすがにメンタルやられるな…。

「こういうの受け取るな。誰だか知らないし、付き合わないし」

やば、当たっちゃった。

「えー、かわいい子だったのにー! まぁふーくんが受け取って欲しくないなら今度から断っとくね! でも、その子のは渡すって言っちゃったから読むんだぞ〜」

なんなんだよ、俺の気持ち考えてくれるとか…。テンションの上がり下がりが激しすぎておかしくなんぞ!?


あー、もう。俺ばっか好きじゃん。

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