第34話 滅茶苦茶モフる
『貴様は女神……! どうしてここへ……!?』
ようやくひっくり返った体勢から元に戻れたザグギエルが、上空の女神を睨みつける。
「翼のモフ度はなかなかだね……。柔らかそうで80点は堅いかな……」
女神の登場にも、カナタはマイペースに採点を始めている。
『どうして、とはおかしなことを言いますね、ザグギエル。貴方の試練が佳境へと来たので、神託を与えに来てあげたのですよ』
神々しい笑みをたたえ、女神は手招きする。
すると、ザーボックの懐からガラス瓶に入った花が宙へと運ばれた。
花は見事に育ち、今この瞬間にも花開こうとしていた。
『見事です、ザグギエル』
ガラス瓶を愛おしそうに撫でて、女神は言う。
『よくぞここまで愛の花を育てましたね。百万の愛が集まろうとしている。もうあとほんの少しで、試練は達成できるでしょう』
ザグギエルの功績を女神は褒め称え、しかし悲しそうに眉をひそめる。
『ですが、残念なことに、ひとつ伝え忘れていたことがあったのです』
女神がガラス瓶を掲げると、開花寸前の花が根元から干涸びていく。
『この試練には刻限が定めてあったのですよ。期間内に試練を達成できなければ、命を失うことになるのです』
女神の顔には、隠しきれない愉悦の表情が浮かんでいた。
『あらあら、どうしましょう。見る見る花が枯れていきますね。今から残りわずかの愛を集めきれそうですか? 無理そうですねぇ』
愛の花はザグギエルの状態を表している。
花が干涸らびたと言うことは、ザグギエルの命もまた終焉を迎えることを意味していた。
乾ききった花が、徐々に砂のように崩れ始める。
『……性根の腐った貴様のことだ。そんなことだろうと思っていたぞ。その刻限とやらもたった今決めたのだろう?』
『さぁ、何のことやら』
『呪いを解く気などないことなど、最初から分かっていたさ……ぐうっ!?』
ザグギエルの体から煙が立ち上った。
しゅうしゅうと音を立て、ザグギエルの質量が煙へと分解されていく。
「ザッくん! 大丈夫!? しっかりして!」
カナタが駆け寄って抱き上げるが、ザグギエルは体を震わせて、力なくうめくばかりだ。
『か、カナタ……どうやら、余はここまでのようだ……』
それでも何とか最後の言葉を紡ごうと口を開くザグギエルを見て、女神は両手を組んで涙した。
『ああ、なんて悲しい結末でしょう! ザグギエル、貴方が魔王としての役目をまっとうしていれば、こんなことにはならなかったというのに!』
泣き
「く、くくく! 死ぬか! 死ぬのかザグギエル! ざまあみろだ! 我が夢は断たれたが、憎い貴様が死ぬのであれば満足だ!」
壊れたようにけたたましく笑う者たち。
ザグギエルは苦しみながらも、最後の言葉を必死に紡ぐ。
『一緒に旅が出来なくて、すまない……。だが、カナタと出会ってから、幸せとは何かを知る毎日であったぞ……。惨めで孤独な地獄の中で、唯一カナタだけが余に手を差し伸べてくれた……。本当に、嬉しかったのだ……。あの時、余は救われたのだ……』
「そんなの、わたしだって同じだよ。毎朝目覚めるとザッくんがいてくれて、抱きしめると暖かくて柔らかくて、毎日すごく幸せだった。これからだってずっと一緒だよ」
『ありがとう、カナタ……。そうできれば良かったのだが……、この呪いはどうにも出来ない……。神は我らより上位の存在なのだ……。この世界の法則ではこの呪いを破ることは出来ないのだ……』
「そうなの?」
『そうなのだ』
聞き返すカナタにザグギエルは神妙に頷いた。
『神は我々を生み出した存在。被造物は造物主には勝てぬ。現に呪いは余の体を蝕んで、もはや言葉を交わすことも……できておるな?』
「できておるね」
普通に会話できていた。
ザグギエルはいつの間にか体が楽になっていることに気がつく。
「お、おい! どうなっている女神! ザグギエルのやつめ! 死なないではないか!?」
『そ、そんな馬鹿な!? ザグギエルの死は絶対のはず!? まさかあの娘、回復魔法で侵蝕に対抗している!?』
女神が気がついたとおり、ザグギエルを抱き上げるカナタの手はうっすらと温かな光を宿し、ザグギエルの体を回復し続けていた。
『神の裁定に回復魔法で拮抗するなど、いったいどれほどの魔力をそそぎ込めば……!』
上位存在の力にあらがうほどの力に女神は驚愕し、カナタの正体に思い至る。
『先ほどの戦いぶりから予感はしていましたが、この常軌を逸した魔力量……! あの娘は重魂者ですね……! 他次元神め、いらぬことを……! ですが、重魂者だとしてもこの力は異常に過ぎる……! 神ならぬ身で、神の法則に迫るなど……!』
最高の才能を持って産まれた者が、努力して努力して努力し続けた結果生まれた怪物。
それがカナタ・アルデザイアという存在だった。
女神は悔しげに歯を噛みしめ、しかしまだ事態は終わっていないことに気がつく。
ザグギエルの状態を表す花はまだ枯れたままだ。
すなわち呪いは現在進行形でザグギエルの体を蝕んでいることを示している。
解除条件を満たすまで、ザグギエルは死から逃れることは出来ない。
『ふっ、無駄ですよ、重魂者の娘よ! 貴方のそれは回復魔法で命を繋いでいるだけ! ザグギエルに課せられた試練は未だ達成されていません! そして花はもう枯れ果て、咲くことはない! もう一度百万の愛を集め直す時間もない! 貴方の魔力が尽きたとき、ザグギエルの命は今度こそ終わるでしょう!』
女神は勝ち誇った様子で笑う。
「愛……?」
『そうです! 百万人分もの愛! それがなければザグギエルが生き返ることはあり得ません!』
カナタに絶望を味わわせるためのその発言は、逆にカナタに正解の道筋を教えていることに女神は気づいていない。
「愛ならあるよ」
カナタはザグギエルを強く抱きしめた。
『ほほほほっ! 言ったでしょう! 必要なのは百万人の愛。たった一人分の愛ではまったく足りませんよ!』
あざ笑う女神は知らない。
カナタがここまでの超人になったのは、努力に努力を重ねた結果だが、その努力の源はたったひとつの望みから始まったということを。
「百万なんて小さい小さい! わたしのモフモフ愛は無限大っ!!」
『か、カナタ……!?』
抱きしめられたザグギエルがカナタを見上げる。
ふわふわの柔らかい毛。大きなまん丸おめめ。ピンと尖った立派な耳。短い手足。長い尻尾。可愛い泣き声。癖になる体臭。
その全てに対する想いをカナタは全力で叫んだ
「
カナタの全力の愛情で、カナタの胸の内から、まばゆい光があふれ出す。
そして女神の手元にあった枯れ果てた花が実を付け、種が落ちる。
種は急速に芽吹き、根を生やし、茎を伸ばし、新たなつぼみをつける。
そして色鮮やかな花が満開に咲き誇った。
『そんな!? たった一人で百万人分の愛を与えたというのですか!? そんなこと、人間には、神にだって出来はしない!!』
だが、女神の主張は目の前で起きている光景に否定されている。
『解ける……! 余の呪いが……!』
ザグギエルがカナタの胸を飛び出し、空へと浮かぶ。
『カナタ、見ていてくれ! これが余の本当の姿だ!』
呪われし弱き体が、音を立てて力を取り戻していく。
短い四肢は長く伸び、全身を覆っていた黒い毛は頭に集まり、雄々しい角が天を衝く。
「ああ、懐かしい……。そうだ、これこそが余の体だ……」
ザグギエルにかけられた呪いが、完全に解けた瞬間だった。
魔術で服を編んだザグギエルが、悠然とカナタの前に降り立つ。
黒い毛玉だった面影などどこにもない、美しい青年の姿だった。
「カナタ、ありがとう。貴公のおかげで、余を苦しめた永き呪いは解けた」
「ザッくんなの……?」
「ああ、余だ、カナタ。そなたの愛が余を救ってくれたのだ」
呆然と見上げるカナタに、ザグギエルは優しく微笑みかける。
『なんと言うこと!? 神の裁定を人間が覆すなんて!? そんなこと、あってはならないのに!!』
女神は髪を掻きむしり、絶叫する。
「ま、魔王が復活した……! 吾輩はもう駄目だ! おしまいだぁ!」
ザーボックは恐怖に怯え、うずくまって頭を抱える。
「ザッくん……」
そしてカナタは──
「ザッくんじゃない!」
人生一番の悲しみを味わっていた。。
「か、カナタ? どうした? 余が分からないのか?」
ザグギエルが差し伸べる手に、カナタは触ってみる。
すらりとした腕だった。
ほどよく筋肉が付き、彫刻作品を思わせる美しさだ。
それがさらなる絶望をカナタに与える。
「ザッくんじゃない!」
引き締まった胸板に触り、
「ザッくんじゃない!」
夜の月のような美しい顔に触れ、
「ザッくんじゃないぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!」
と悲鳴を上げた。
ともすれば、ザグギエルが死にかけたときより悲痛だったかも知れない。
「うっ、うううー……。ザッくんが……ザッくんが……」
「いや、カナタよ。死んでないからな? ここにおるからな?」
「だってぇ……だってぇ……」
駄々っ子のようにカナタは泣きじゃくり、最後にザグギエルの髪に触れる。
しっとりとしつつも柔らかいこの感触。
カナタは確かに覚えがあった。
「ああ、ザッくんだぁ……良かったぁ……。ここにいたんだぁ……」
その触り心地に、カナタはようやくほっとした。
「そ、そこで余だと分かるのか……」
髪の毛のモフモフ具合でしか自分を認識されていないことに、ザグギエルはショックを受けた。
「いや、カナタのわけが分からないのは、思えば最初からであったか……」
そして早々に受け入れる。
カナタのモフモフぐるいは今に始まったことではない。
ここしばらくの付き合いで、ザグギエルにも少し分かってきた。
「カナタ、まだ事は済んでいないのでな。頭を撫で回すのはあとにして貰えぬか」
「モフモフ……モフモフ……えへへ……」
「聞いておらぬか。仕方があるまい」
ザグギエルは頭から離れようとしないカナタを抱き寄せ、ザーボックたちに振り返る。
「我が軍勢よ! 余は戻ったぞ!」
ザグギエルの覇声に、心を折られていた魔物たちがハッとする。
「お前たちが従うのは余か!? それともそこの女神に踊らされた愚か者か!?」
その一喝は、魔物たちの正気を呼び覚まさせた。
「ま、魔王様だ! 魔王様がお戻りになられた!」
「お、俺たちは今でいったい何を……?」
カナタに心を折られ、本来の王の帰還に、魔物たちは次々と正気を取り戻していく。
そして、元魔王軍の者たちは一斉に大地に平伏した。
そうでないのは、先ほどから恐怖に震えるザーボックだ。
ザグギエルは悠然とザーボックの前に立ち、冷たい眼光で見下ろす。
「貴様の負けだ、ザーボック」
「は、はひぃ……」
力を取り戻したザグギエルの重圧は凄まじく、ザーボックは穴という穴から汁を垂らしながら天を仰いだ。
「余にはまだやることがある。貴様が心を入れ替え、暗黒大陸平定に力を尽くすというのであれば、今回だけは許そう」
「は、はひぃ! このザーボック! 二度と裏切りませぬぅぅぅぅぅっ!」
それは見事な土下座でザーボックは再度の忠誠をザグギエルに誓う。
「よし、ならば帰れ! 貴様らがいては王都の民が安心できん!」
ザグギエルは片手を掲げ、大規模空間転移魔法を発動させる。
たった一度見ただけで、ザグギエルは術式を理解していた。
ザーボックを含めた魔王軍が暗黒大陸へと転送される。
あとに残ったのは、唖然とする女神だけだ。
「さて、どうする女神よ。貴様の悪巧みもこれまでのようだが?」
『ぬぐぐ、言わせておけば……』
女神は屈辱に震えるが、神にすら届きうる力を持つカナタがいる時点で、下手に手を出すのは憚られた。
膠着状態になったところへ、王都の正門が突然開いた。
「うおおおおおおおおおおおおっ! お前たち、王都の危機をカナタちゃん一人に背負わせて恥ずかしいと思わないのか! 勇気ある者はわしに続けぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!」
「「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!」」」
騎士や民衆を引き連れた国王が、正門から出陣する。
「うおおおおおおおおおお……お? おや? 魔物はどうした?」
戦うべき魔物の姿はどこにもなく、振り上げた拳の行き場を失った民衆は首をかしげた。
「あっ! みんな見ろ! あんなところに誰か浮いてる!」
「翼を生やしたあのお姿! もしや女神様では!」
「教会の彫刻そのままで、なんて神々しいんだ! 生きている間に神様の姿を拝めるなんて!!」
人々は女神がいると聞いて、どんどん女神の元へと集まってくる。
多数の人間に姿を見られてしまった女神は、悪態をつくことも出来ずに、ぐぅとうめいた。
ザグギエルと民衆を交互に見て、奥歯を噛みしめながら、敗北の決断を下す。
『よ、よくぞ真実の愛を知り、改心しましたね、魔王ザグギエルよ。これからはその少女と共に善なる道を歩むのですよ』
取り繕うように女神は告げると、逃げるようにしてその場から消え去った。
女神の言葉を聞いた民たちからは歓声が上がる。
「すごい! 女神様から直接お声をかけられるなんて!」
「もしかして、あの娘が魔王を改心させて魔物の軍勢を追い返したのか!」
「奇跡だ! そんなことが出来るのは聖女だけだ! 彼女は聖女に違いない!」
歓声は一転して、女神から聖女カナタを讃えるものへと変わった。
「聖女じゃなくて魔物使いですけどー」
カナタはザグギエルの頭をモフりつつ答えるが、みんな歓声を送ることに必死で誰の耳にも届かない。
「やれやれ、この調子では、また足止めを食らうことになりそうだな。どうする、カナタ? 戦いで疲れているようなら一度王都に戻っても良いと思うが」
「ぜーんぜん。元気いっぱいだよ! 旅の準備はもうできてるんだから、このまま出発しよー!」
「うむ、賛成である」
背中に人々の歓声を受けながら、ふたりはようやく旅に出られたのであった。
「カナタちゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁんっ!! 行かないでぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!! 国の宝がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
「カナタさん! どういうことなんですか! こんな功績を残されたら、ギルドはどう報酬を出せば良いんですか!? せめてギルドで説明を! 解決策を下さい! 残業はもういやなのぉぉぉぉぉぉぉっ!!」
「「戻ってきてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!」」
国王とメリッサが泣き叫んでいるような気もしたが、聖女を讃える民衆の歓声に掻き消えてしまうのだった。
† † †
二人は王都を離れ西に向かって歩いていた。
都市を繋ぐ石畳の道には、少ないとは言え、往来もある。
そんなところを二人の美男美女が歩いているので、道行く者はたびたび彼らを振り返っていた。
「つまりだな、神にとって人間の信仰心は力の源なのだ。あそこで何もせず逃げ去ったのは、本性がばれて信仰心が下がるのを防ぎたかったからだろう」
「へー」
「そして、死して天国へ向かったとされる人間の魂は、やつらにとって餌なのだ。逆に我ら魔物は人間を始末し、効率良く食事を運ぶ働き蟻のようなものなのだ」
「ふーん」
「強力な魔物を暗黒大陸で蟲毒のように競い合わせ、魔王となったものに人間界へ侵攻させるのだ。そして一定まで人間の魂を収穫したら、勇者などの特別な職業を得た者を使って魔物を全滅させる。人間と魔物の数が減れば、また収穫期まで争いを平定させて互いの数を増やす。おそらくカナタ、貴公も勇者などの役目を司る一人だったはずなのだ」
「ほー」
「要するに、神にとって勇者と魔王という職業も、ただの収穫道具に過ぎないということだな。余はその仕組みを暴き、暗黒大陸から魔物を出さないことで、恒久的平和を産み出そうとしたのだが、女神のやつにあのような呪いをかけられてしまったのだ。だが、魔王の職業はまだ余が司ったままだ。女神め、余を長く苦しめるために生かし続けたのが仇になったな。野心の強かったザーボックの心が折れた以上、余が戻らない限り暗黒大陸からの全軍侵攻は起きないだろう」
「そーなんだー」
「……カナタよ。その、なんだ。余の話は退屈か?」
いつものカナタなら、ザグギエルが何を話しても、目を輝かせてうんうんと頷いていたものだったが、王都を出てからというもの、カナタの態度はあからさまに素っ気なかった。
「そんなことないよー」
「そ、そんなことあるだろう! いつもならもっと構ってくれたではないか! それにだ! こうして呪いが解けた今、余の姿に思うところはないのか!?」
ザグギエルの姿は黒い毛玉だった頃とはまったくの別人だった。
女性であれば、目を留めずにはいられないほどの美形である。
カナタと並ぶと、それはそれは絵になった。
「んー……」
カナタは薄目で真ザグギエルの姿を眺め、感想を告げる。
「髪以外のなで心地が悪いから、前のザッくんの方が良かったなー」
「ぐ、ぐはぁっ!?」
心に刃を突き立てられて、ザグギエルは吐血した。
悲しみの涙を滂沱と流しながら、ザグギエルは地面に伏す。
「な、何故だ……。何故そんなに辛辣なのだ……。今の余の方が強いのに……。カナタに相応しい魔物のはずなのに……。カナタ、余は……余は……─はっ!?」
ザグギエルはそこで解にたどり着いた。
「今の余の方が強いにもかかわらず、カナタは前の姿の方が良いと言っていた……。つまりこういうことか! 貴公に相応しいさらなる強さを求めるのならば、あの姿でも最強となれと言うことだな! 余は完全に理解したぞ!」
完全に理解していなかった。
「呪いの術式はおおよそ分かっているのだ。強制力までは再現できぬが、姿や力を変える程度なら容易いことよ!」
ザグギエルはそう言うと、自らに術式を施す。
美しかった青年の体は見る見る縮み、服だけを残して消えてしまった。
「メウ!」
そして服の中から現れたのは、あの黒い毛玉だった。
『カナタよ! 余はこの姿のままでも最強となってみせるぞ! 素っ気なかったのは、このことに気づかせるためなのであったな!』
自信ありげに、メウメウと鳴くザグギエル。
「………………」
カナタはそんなザグギエルを見下ろして、音の壁を突き破った。
「うわあああああザッくんうわあああああザッくんスーハースーハークンカクンカモフモフモフモフきゅんきゅんモフモフぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ!!」
『か、カナタぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?』
ザグギエルに飛びついたカナタは、揉んで吸ってさすって、ザグギエルの全身を余すところなく堪能する。
「やっぱりザッくんはこうでなくっちゃぁぁぁぁぁぁぁぁっ❤❤❤ ザッくん最高だよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ❤❤❤ ザッくんザッくんザッくんザッくんんんんんんんんんんんんんんんんん❤❤❤」
『ま、待てカナタ! こんな往来では駄目だ! み、みんな見てるからぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!』
このあと滅茶苦茶モフられた。
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