第15-2話 Bブロック─瀬李チームVS間藤チーム
床を蹴り、自分の間合いに入れようと
それは想いに応える様に強い輝きと共に。
「星剣技式【
「!?」
客席───主に貴族階級の者達───が驚きの余りに歓声が消える。彼女の放ったそれは下位の星剣技式何かではなく、上位に位置する【
学生でも殆どの者が扱うことのできない、上位の技式を発動させたことで、貴族階級の者達は「低俗な奴がそんな訳ない」等の思いからか、口々に否定の声を上げ始めた。
「平民が上級技式を扱える訳がない!!私ですら扱えないと言うのに!!」
「全くですな!あんな奴が学生の内に使えるわけが───」
「うるせぇ」
金髪の男が言葉を言い切る前に、
───あれは剣が応えたんだろうな、
「父親の七光りが無かったら、ただの平民の癖に。調子に乗るなよ!?」
言葉を遮られた貴族の男が声をあらげる。
「丁度この次は俺らの試合だったな……見せてやるよ。俺が親父なんか関係なくつえぇってのをな」
「ッぐがァァ!?」
嗚咽を漏らしながら十二連撃の全てを受けて、後方へ大きく飛ぶ。その進行上に剣撃を繰り広げる、
「ちょちょちょちょ待て待て待てま───ぐっっふぉえ!?」
しっかりと衝突し、もれなく二人合わせて壁に激突する。勿論、
「はるちゃんやるぅ!!」
「まだ油断しちゃ駄目だよ、よーちゃん」
未だ倒れたまま動きを見せない二人に剣先を向けて、警戒を続けながら答える。
しばらくすると、
「おい
「……そんな無茶言わないでくれよ、ぶっ飛ぶ方向は選べないんだから」
二人は苦笑いを浮かべながら軽口を叩き合う。そして直ぐに意識を彼女ら二人に向けて、
「冥剣技式【
「「星剣技式【
ほぼ同時に技式を発動させ、互いに距離を詰める。紅い輝きと黄色い輝きが交差してぶつかり合う。空気、魔力、エーテルを斬り割きながら二人へと紅き閃光が迫る。二つの黄色い閃光がトライアングルを描き、迫る紅き閃光へと走る。ぶつかり合ったそれは火花と金属音を会場に轟かせて、観客席を圧倒させる。
「ハァァァァア!!!」
「ッグ!?」
───不味い!!
魔弾が射出されるよりも早く、
「星剣技式【
「ッチ」
「星剣技式【
蒼い輝きを放ち、
【
───少しでも遅れてたらやられてた……!!
「うぐぅ……」
大剣によって大ダメージを受け、全てが精神的ダメージに置換されたことで、耳鳴りを伴う激しい痛みにに耐えきれず、ブロードソードを床に落とし、呻き声を上げながらその場で倒れ込んでしまった。
「冥剣技式【
鬼のような気迫と、禍々しさを感じる黒い輝きを放ち、彼女を押す力が強まる。【
「星剣技式【
───負けたくない……絶対に!
強い想いは魔力に影響を及ぼし、定められた業の型すら破壊し、進化する。
「星剣技式【
本来の光とは違う輝きを放ち、剣先が
「ッ!?」
───な、なんだあれ。あの業はこんな軌道じゃない!!
彼が動揺を見せた様に、観客席にもまた衝撃が走っていた。彼女が発動させたのは【
「くっそ!!」
ガゴォォォンッと金属音を響かせて大剣は大きく上へと弾かれる。
「まだだァァァア!!」
それを回避して背後に回った
「ハァァァァァァ!!!」
描かれた星は空へと霧散し、キラキラと輝きながら消えていった。
「Bブロック勝者、
今回彼女達は彼らのコンビに初めて勝利を飾った。それは紛れもなく、彼女達の意志が勝利へと導いたのだろう。
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