第4話 模擬戦─八坂氷継VS灯擂雫
両腰には短剣を携えていて、黒と青色のデザインで、使われている素材はアダマントとエーテルを流しやすくなるエーテリウム、魔力を流しやすくなる魔鉱を使った業物。
エーテリウムはエーテルが物質化した物でエーテルに共鳴しやすい鉱物。魔鉱は魔石の上位に当たる鉱物で、下から、魔石、魔鉱、魔楼鉱、魔星石、魔凰石の五つの存在が確認されている。魔楼鉱は三番目に頑丈で魔力の共鳴率が三番目に高い。一般的に使われている魔石は共鳴率が大体48%で魔楼鉱は67%と手に入り安さ的にもかなり重宝されているが、その分値は張る。
何故こんなにも高価な物を一学生が持っているのか、それは彼女が貴族階級にあるからだ。一応天皇陛下を筆頭に貴族階級というのが存在してはいるが、その上下関係は無いに等しいが、その家柄に縛られアニメや漫画のように横暴な者も多いことで、近年問題視されている。余談だが、八坂家は貴族というわけではない。
対する
ミスリルはかなり高級な鉱物で
「英雄様の息子がどれだけの物なのか、見せて貰おうじゃないの」
「はぁ……どいつもこいつも比べやがって。貴族ってのは大口叩かねぇと死ぬ呪いかなんかなのかぁ?」
完全に舐めきった態度で
「それじゃあ二人共準備はいい?……両者構え!!」
「───始めぇえ!」
開始の合図と共に
「短剣技式【
眼を見開き業銘を明言する。両手に握られた短剣は影に溶け光に消えた。この業は光と影、両方がその場に存在していなくてはならない物。片方が無ければその効果は半減してしまうが、扱いが難しい上位の業でもある。
「短剣技式【
七つの斬撃を放つ業で、書き殴るように出す事から付けられた。
───これで終わり……
その瞬間、
「……濁ってるな、魔力その物の扱い方がなってない」
そう言葉を吐き捨てるように言明し、眼を閉じる。
「何言ってるよ?防げなきゃ重症になるわよ?」
その言葉に
「想いを司す不滅の誓いよ、汝を護る刃となれ───
眼を開け、想いを乗せた言葉を紡ぐ。
空気中に粒子として漂うエーテル物質を巨大な剣の形に模して七つ発現させ、自分を中心に円を描くように配置する。エーテルは想いを司る力。その想いが強ければ強い程形として現れる。
「───ッんな!?」
全ての斬撃は半透明で巨大な剣によって阻まれ
眼を見開き驚きながらバックステップで後ろに下がり、短剣を構え直す。その眼には明らかな動揺が現れる。
「めんどくせぇもん飛ばしてねぇで、こいつで打ち合おうぜ」
「
素早く三角形の形に剣を走らせる、三連撃業。一撃目、二撃目は見事ヒット。三撃目、鬱金色の残像を残しながら上から振り下ろされる刃を、歯を食い縛りながら魔力を込めた短剣をクロスさせ受ける。
「ック……重い、うけ……きれない!!」
ギギギッと徐々に短剣が内側に逸れていき、
「はぁぁあッッ!!」
「ッあぁあ!?」
その一瞬を逃さず、一気に振り下ろす。剣先から一筋の鬱金色の軌跡を描きながら放たれたそれは
───あ……やばい。数値が達しちゃう……!
精神力を百の数値を限界値に設定された空間で、現在の
「これ以上は危険だ、中止しろ。そして……降参しろ」
氷継自信完璧にこのシステムを理解している訳ではないが、なんとなく危険性を感じていた。目に見える傷の全てが目に見えない傷に変換されるため、命の危険は無くなるが、それ以上に心にダメージを負う可能性を。
「───
「ッまだ!まだ……できます!!」
「数値が止まった……面白いな」
本来急激に上昇する数値が急に止まることは無いのだが、
「早く構えて……こっちはギリギリなのよ」
落とした短剣を拾い構え直して、キッと睨みを利かせる。
「……十秒で終わる」
そう言って
「短剣技式【
───力は抑え気味で、軽く……
「これで十秒だ」
「
会場は拍手喝采。一方的と言えばそうなってしまうが、両者共に業の応酬であり、見事な物だっただろう。
「お疲れ様、
「トレーニング続けてたからな。それより
「うん、任せて」
戦闘以外はそこまで口調が荒くない
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