第225話
夢から覚めた私は、、苦悩する。衝動で決めたわけじゃないけど、いつも間違えた選択をしたんじゃないかと思ってしまっていた。
悩ましいよ。あのままでいても、喧嘩が増えいつかまた大喧嘩をしていたはずだ。
もう、私はあんな気持ちを芽衣に抱きたくなかった。全てを受け止められるようになりたくて頑張っているけどまだ無理だし。
成長するって難しい。離れている間に、もし芽衣が筒井君を選んでも、、って受け入れると思っているけど悔しさに包まれる。
何してるんだろ、、と考えていると目が覚めてしまった。まだ時間は6時で、目覚ましでかけた時間より2時間も早い。
仕方なくランニングするため、ジャージに着替え外に出ると風が気持ちよく気持ちが晴れやかになる。空も綺麗だ。
私は時間があるから学校周辺まで走った。一度走り出すと止まらなくなり、このままずっと走っていたい衝動に駆られる。
私は走るのと一緒で、一度走り出したら止まれないタイプなのかな。後戻りできなくて、突っ走るしかない。
あれ…ジャージを着た芽衣らしき女の子が座り込んでいる。具合でも悪いのかな?
ゆっくり走りながら近くずくと、、本当に芽衣で驚いた。髪…切ったんだ。ずっとロングだったのに髪が短くなってる。
私と同じぐらいの長さのボブで、、似合っているけど、急に何で?って思ってしまった。
それにふと昔の会話がよぎる。私が芽衣の髪型はロングの長さが好きって言ったらずっとロングにするって言っていた。
仕方ないか…髪型なんて本人の自由だし。
「芽衣…どうしたの?」
「えっ、、水希」
「怪我でもしたの?」
「休憩してるの、、疲れちゃって」
「そっか。無理しちゃダメだよ」
息が荒いな。芽衣は体力がないから少しずつ運動しないと限界をすぐに越えてしまう。
どこかに自販機あるかな?水を買いたくて自販機を探すために歩き出すと、ジャージを芽衣に掴まれた。
「芽衣?」
「あっ、ごめん…」
「お水飲むでしょ。買ってくる」
「えっ、うん、、」
しばらく歩いた後、見つけた自販機でお水を買っていると芽衣がずっと見ていることに気づいた。そんなにお水が飲みたかったのかな?もしかして脱水症状おこしてないよね?
だったら水よりスポーツドリンクの方がいい。急いでもう一本買い、芽衣の元へ戻った。
「芽衣、ちょっと首元触るよ」
「・・・」
「体は熱くないね。汗もそこまでかいてないみたいだし…芽衣?」
「ねぇ、、いつまで、、」
芽衣に手を掴まれ、驚いていると芽衣が急に立ち上がり走っていく。まだ、飲み物飲んでないからダメだよ。ちゃんと休憩しないと危ないのに。
私は慌てて追いかけ、芽衣の腕を掴むとやっと止まってくれた。やっぱり息が荒い。もう少し休憩しない体が持たないって。
「芽衣、飲み物を飲まないとダメだよ」
「家で飲むからいい…」
「一口でいいから」
「分かった、、」
私は芽衣にスポーツドリンクを渡し、水を自分で飲んだ。あれ、、芽衣が飲もうとしない。私をジッと見てお水を取られちゃった。
代わりにスポーツドリンクを渡され、仕方なく芽衣用に買った物を飲み始める。
さぁ、そろそろ家に戻らないと時間がなくなる。シャワー浴びて、ご飯食べて、バイトに行く準備しなきゃ。
芽衣は1人で帰れるかな?フラフラしてないみたいだから大丈夫だとは思うけど心配だ。
「芽衣はまだ走るの?」
「帰る…」
「フラフラしてない?もう少しお水飲んだ方がいいよ」
「大丈夫…水希は帰るの?」
「うん、バイトに行く準備しなきゃ」
今日は図書館で読み聞かせのバイトの日だ。接客業をするようになり、今日で2回目だけど接客業をするようになって少し度胸がついた。
今日は初めての時よりスムーズに仕事をこなせるようになってるといいな。
あと、お金を稼ぐっていいよね。自分の為にもなるし、色んな人話せるって楽しいよ。
「じゃ、帰るね、、」
「芽衣、気をつけてね。あと、、髪、似合ってるよ」
「ありがとう…気づいてないかと思った」
「流石に気づくよ。結構バッサリ切ったね」
「心機一転したかったの」
芽衣の中で何か変わろうとしてるのかな。バイトを始め、髪を切り、痩せて綺麗になってるし。私の知らない芽衣に寂しくなりつつ、私も頑張らないとってなる。
私も髪型変えようかな。でもな、ショートは少しでも女子力がほしい私としては無理だし、長いと走る時めんどい。
うぅ、結局今の長さが丁度いいのか。髪は染めたいなー。高校は染めるの禁止されてるからダメだけど、大学生になったら染めよう。
その前に勉強だけど、、東條大学に入るにはめちゃくちゃ頑張らないといけない。
私も2年生になったら芽衣と一緒で私の中で何かが変わっていれば嬉しいな。
「芽衣、じゃあね」
「うん…」
「バイバイ」
「・・・」
よし、最後に家まで思いっきり走るぞ。全てにおいて全力で取り組むと決めたから頑張る。
私は短距離走の選手だ。だから、スタートダッシュが得意で芽衣に挨拶したあと思いっきり走り駆け抜ける。
相変わらず私は女心が分かっていない。芽衣が泣いていたことに気づけてないから。
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